2006-01-01から1年間の記事一覧
〝コーヒー&シガレッツ〟(ジム・ジャームッシュ監督)というオムニバス映画は、その飄々たる面白さにリスペクトを捧げる演劇人も結構いるようで、この春にペテカンが〝タバコの煙とコーヒーの湯気〟というオムニバスを上演したし、今度は毛皮族が〝コーヒ…
今をときめくクドカンこと宮藤官九郎が率いるウーマンリブのVol.10。〝ウーマンリブ〟は、宮藤官九郎の作・演出の芝居を上演するプロジェクトのようなものだが、大人計画の役者たちがこぞって出演するので、大人計画の内部劇団のような位置づけだろうか。困…
ウェルメイドな芝居も勿論いいのだけれど、こういう出会いがあるから劇場通いはやめられないのだ。東京デスロックの〝再生〟である。東京デスロックは、2001年、多田淳之介、石渕貴士、夏目慎也の3人で旗揚げされ、現在はポツドールへの客演などでお馴染み…
王子小劇場の佐藤佐吉演劇祭も、そろそろ中盤。初めてその名を耳にする劇団やユニットがぽつりぽつりと登場する。自己批判ショーは茨城県古河を根拠地とする劇団で、言われてみれば前回公演の〝KOGAMAP〟のちらしが記憶の片隅にあるような。今回の出し物は、…
紅テントの芝居は、本当に久しぶり。知ってる役者はもうほとんどいないが、やっぱり懐かしい。会場の鬼子母神境内につくと、若い男女を中心に、300人ほどが詰めかけているのを見て、人気いまだ衰えずの感を強くした。三鷹の森ジブリ美術館横原っぱの公演…
五反田団は、1997年に前田司郎が自らの作を演出する劇団として立ち上げたもので、その私小説的とも、脱力系とも言われる舞台に定評がある。地味ながら、味のある舞台を、わたしは一昨年の企画公演「ニセS高原から」の五反田団バージョン(前田司郎演出)で体…
・四代目のボーカリスト(過去は、ミカ、松任谷由実、桐島かれん)を迎えて、サディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mika Band)がまたもやリユニオンされている。すでに89年に桐島かれんを迎えたミカ・バンド(Sadistic Mica Band)〝天晴〟のときに落胆し…
smartballは、早稲田演劇倶楽部出身の名執健太郎が作・演出・主宰をつとめる演劇ユニットで、HPには所属として彼と女優の小倉ちひろの名がある。二人とも〝愛の渦〟や〝夢の城〟への出演経験があったり、公演ちらしに三浦大輔がコメントを寄せていたりしてい…
THE SHAMPOO HATの出自は、青山のショーレストランを拠点にしていたパフォーマンス集団と聞いている。初期はシチュエーション・コメディをやったりしていたということだが、〝事件〟と〝恋の片道切符〟を観たわたしの印象としては、赤堀雅秋の演出のもと、し…
チャリT企画は早稲田の劇研出身の劇団で、観るのは今回が初めてだけれども、双数姉妹の〝君はヲロチ〟に客演していた伊藤伸太朗と松本大卒の達者さが印象に残っている。〝アベベのベ〟は、2011年の近未来が舞台だが、つい先日新総理となった安倍晋三の前…
来日公演はたった2回で、東京と京都のみ。それも、日本のアーティストとのジョイントというのだから、おいおいいい加減にしてくれよ、というのが正直なところ。せめてワンマンで堪能させてほしかった。案の定、開演が押して、わたしは終電の関係で二度目の…
アメリカ私立探偵作家クラブ賞*1受賞という鳴り物の入ったSFミステリ。本作が受賞したのは正賞にあたる最優秀長篇賞ではなく格落ちのペイパーバック賞だけれど、過去の受賞者にはウォーレン・マーフィ、アール・W・エマースン、ロブ・カントナー、ハーラ…
すごいぞ、ピチチ5(クインテット)。というわけで、行ってまいりました、ピチチ5の〝おさびしもの〟。ピチチ5の常連で、今回も出演している野間口徹が参加する親族代表を見て(8月のシアタートップス)、何人かの脚本提供の中で際立って良かった福原充…
劇団のホームページによれば、ハイバイは多摩地区を中心にお洒落な口語劇を展開している劇団とのこと。ここでいう口語劇とは、平田オリザの提唱する現代口語演劇のことだろうか。今回の公演〝無外流、津川吾郎〟は、先にプレビュー公演を行い、アンケートの…
劇団、本谷有希子は、過去に3作(〝乱暴と待機〟、〝無理矢理〟、〝密室彼女〟)を観ているけれど、一作ごとに方向性や表現手段に変化や工夫があるが、一様にどこか重たく、アブストラクトなものを引き摺っているように思えるのが好きになれず、評判ほどに…
正直言うと、かなりの衝撃でした、初めての乞局(こつぼね)。どれくらいかというと、ポツドールの〝夢の城〟と同じくらい。方向性が違うけど、という断りをつい入れたくなるが、いやいや実は案外と近い距離にいるんじゃないでしょうか、この両者。人間の本…
気がついたら、解散してたよ、京都のウォーラス。彼らのHPにアクセスすると、〝ウォーラスは解散しました〟の寂しいメッセージが。ちくしょー、評判のライブアクト、1回も観られなかった!ウォーラス(WALRUS)は、その昔おかげ様ブラザースに在籍し…
劇団としては究極の苦行に近い大事業であろう7か月間の7演目連続公演を、〝サンポジウム〟という軽やかなネーミングで行っているさ中の散歩道楽。先月の〝スペインの母A〟を、キャンセル待ちの滑り込みで観て、これはいいかも、と思い、すでに後半戦に入っ…
そもそもは作・演出の人という印象が強いにもかかわらず、主宰する猫のホテルでもそこそこいい芝居をするし、客演の経験も豊富なので、こういう言い方は失礼にあたるかもしれないが、役者としての千葉雅子にとって、この作品はちょっとした晴れの舞台である…
10人の男優たちの若い肉体と切れのいい台詞が飛び交う90分。と書くと、どう考えても、わたしの好みではないのだが(笑)、しかし、これはいい。1999年の旗揚げ以来、加東(かひがし)航が作・演出を担当する芝居を上演し続けている演劇ユニットのクク…
そもそも自分の時間は有限だし、観たい芝居だって無限(少し大袈裟)にあるのだから、どんなに素晴らしいからといって、さっきあとにしたばかりの劇場にすぐまた同じ芝居を観るために舞い戻りたくなるケースというのは、わたしの場合相当にレアケースである…
役者さんたち(6人の女優)は、もともとは世田谷パブリックシアターのワークショップで知り合ったのが縁とのこと。1999年の旗揚げだが、その後数回公演をやって、ちょっと冬眠をしていたようだ。それから目覚めたのが今年の初めで、メンバーの中には、…
多忙を極めている(であろう)ケラの新しい作品。オリガト・プラスティコは、ケラが元東京乾電池の女優広岡由里子と組んでのユニットで、数年に1度という緩いペースでプロデュース公演を行っている。作品は、最初はケラ、2回目は岩松了ときて、3回目にあ…
上野樹里をスターダムへと押し上げた映画〝サマータイムマシーン・ブルース〟の後押しなどもあって、今や全国区の人気を誇るヨーロッパ企画。今年春の〝ウィンドウズ5000〟に続いて、今回の新作は7都市を廻るそうだ。 歴史上にたびたび現れては、さまざまな…
JR渋谷駅の新南口に近い会場space EDGEに入り、前日にメールで予約したチケットの清算を受付で済ませると、A4判数ページのホッチキス止めしたものを手渡される。おお、力の入ったプログラムだなと思って、まずは空いている座席を見つけて腰を下ろす。開演時…
「ベスト オブ くるり TOWER OF MUSIC LOVER」リリースにあわせてのツアー、東京は3デイズあってその中日。 この日のハイライトは、なんと〝惑星づくり〟をやったこと。偉いぞ、くるり。サイケ調で入ってくるイントロに、おおこれこれ、と心が震えました。…
漠然と観たいと思っている芝居は多いけれども、行く!と決めるのは、公演直前というケースが実に多い。でも、そういう気ままな観劇がかなわない場合があって、25名のキャパシティで4公演しかないという散歩道楽の〝スペインの母A〟も、予想される競争率…
熱心な演劇ファンではないのだが、海外の経験が豊富な友人が、東京は世界一演劇が盛んな町だと口癖のように言う。都内いたるところに劇場があるし、いつもたくさんの芝居がかかっている、と。そう言われればそうなのかな、という気になるけれど、なるほどそ…
【物語】 親分同士がもともとは兄弟分だった伊豆組と吉田組は、ここのところ何かと争いが絶えなかった。というのも、落ち目の伊豆組に対し、吉田組は日の出の勢いで台頭してきている。その勢いの差が、両者の間に摩擦を生んでいた。伊豆組の若頭鶴田光雄(小…
げんこつ団は、その劇団名に似合わぬ(?)若き女性たちによるユニット名で、徹頭徹尾ギャグにこだわった舞台を1991年の旗揚げ以来上演し続けている。(聞くところによれば、女子美術大学内で88年に結成とのこと)メンバーは、劇団HPのクレジットによれ…