(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「三つの頭と一本の腕」桃唄309

わたしが過去に見た作品からは、ローカルな因習や都市伝説を得意とすることが伺える桃唄309。彼らの新作は、その直球ど真ん中ともいうべき、横溝正史もびっくりの土俗的な田舎ミステリの世界だ。 東京で活動する地方の歴史や伝承を研究するアマチュア・サー…

「Get Back!」グリング第15回公演

幕開きのときに少しだけかかる曲で、ああやっぱり出典はビートルズだったか、と思ったグリングの新作。ポール・マッカートニーが作った曲のタイトルに「!」はないけど、確か、原点に帰れ、というようなことを歌った曲の筈で、さてそうは言うものの果たして…

「ときめき都内」チャリT企画

当日、劇場へと向かう下北沢駅の階段を降りながら、ようやく閃きました。ときめき都内=ときめきトゥナイト。なーるほど。えっ、遅過ぎですか? いくつものエピソードが並行、錯綜する物語。自爆テロを企てる転落したアイドル魔亀旬。対立するデジタル団とア…

「マイルドにしぬ」演劇ユニットプロペラ犬旗揚げ公演

客演も、新感線、阿佐ヶ谷スパイダース、PPPPと来れば、これで芝居好きでなかったら嘘でしょう、という感じの水野美紀だけれど、いよいよ自身のユニットを脚本家楠野一郎とのチームで立ち上げ、スタートさせた。小劇場、お笑い、二人芝居を掲げるユニットの…

「ホワイト伯爵」殿様ランチ ACT12

現実と虚構の境界線を話題にした当日パンフの主宰ごあいさつに、今回公演のヒントがあると思ったのは、穿ちすぎ? サンモールスタジオを中央に横切る白一色の舞台。幕があがると、後手に手錠をかけられた板垣雄亮が椅子に括りつけられている。どうやら、何ら…

「傷は浅いぞ」柿喰う客第11回公演

まるで群集劇のような前作「性癖優秀」で、両手両足の指で数えても余るほどの登場人物ひとりひとりの輪郭をブレなく見せたことに感心させられた柿喰う客。あまり間を措かないでの今年四回目の公演は、劇団のコアなる部分を支える役者たちによる四人芝居であ…

「コントローラー」北京蝶々第9回公演

コンスタントにアトリエ公演を重ね、着実に成長を遂げている早稲田大学劇研の現役アンサンブル北京蝶々。新作の「コントローラー」(大塩哲史作)は、手演出家コンクール2007にエントリー中で、現在、乞局の下西啓正らとともに二次審査に残り、健闘している…

「ミーコのSFハチャメチャ大作戦〜ベルンガ星人をやっつけろ!〜」猫田家(プレビュー公演)

tsumazuki no ishiの女優猫田直が、お気に入りのコネクションで芝居を上演する猫田家。スエヒロケイスケ作の「ニールトーキツ」の女性版を上演した(らしい)のが3年前(残念ながら未見)。今回は、岸田戯曲賞佃典彦の書き下ろし、ハイバイ岩井秀人の演出、…

「AC/DC WORLD’S END SCHOOL GIRL!!!!!!」バジリコFバジオ

ユニークな作中人形劇やちらしのアートワークが印象的な個性派バジリコFバジオ。前回公演しか観ていないのであまり偉そうなことはいえないのだけれど、個人的にはこの劇団のステップボードにもなりうると見受けた今回の新作。 ゴルゴタの丘から逃れたキリス…

「呪い」ジェットラグプロデュース

ここのところ、ユニークなプロデュース公演に力を入れるジェットラグが、2006年の「M−1グランプリ」優勝の漫才コンビ、チュートリアルの徳井義実の初戯曲をとりあげるプロデュース公演。演出、キャスティングも小劇場のお笑い系としては、なかなか豪華…

「恐れを知らぬ川上音二郎一座」東宝

日比谷にオープンした東宝の新劇場シアタークリエ(芸術座の跡)の杮落としの演目。川上音二郎は、文明開化の明治時代に活躍した芸人・役者で、実在の人物。実際に一座を率いアメリカ公演も行っており、オッペケペー節は今も知られている彼の十八番である。 …

「抜け穴の会議室」ケイファクトリー&パルコPRESENTS チーム申第2回公演

かつて大阪の惑星ピスタチオに籍を置いていた佐々木蔵之介も、NHKの連ドラをステップボードに全国区の人気者となって久しいが、その佐々木が劇作家に声をかけて舞台を作っていくために結成した演劇ユニットのチーム申(さる)。前回(2005年)は、モダンスイ…

ゆらゆら帝国 NEW ALBUM TOUR@横浜BLITS

先月10日の東京(新木場COAST)を皮切りに、その後、那覇、仙台、札幌と廻ってきて、再び関東に戻って横浜でのライブ。今回のツアーでは、ニューアルバムに収めた脱力系のナンバーをライブ向きに肉体化することが課題だったと思われるが、それはほぼ達成。…

「陰漏(かげろう)〈画廊版〉」乞局第13回公演

同じ演目を、日程を少しだけずらし、別の場所で公演するという面白い試み。(そもそも再演だが)通常の再演とも違い、先の公演の生々しさを残したまま、場所が変わってどう変化するのかに興味がつのる。演出側も、先行の劇場版とは別物という意識で画廊版に…

「つるつる」スクエアVol.22

スクエアは、1996年に上田一軒と森澤匡晴により結成。大阪を拠点に、東京でも公演を行っているが、わたしは役者の北村守が今年夏のデス電所公演に客演していたときの前説(東京公演でお客が入らなかったという悲惨な話)で、機会あれば観てみようという気に…

「うめたい〜ダメ、時々アイシテル〜」はぶ談戯Vol.11

はぶ談戯は、1999年に穂科エミを中心に結成された。わたしは、ククルカンの「クローバー秋」に客演していた春日和弘の所属劇団として、ユニークなその名を知る。今回が初見だが、カラオケ・ミュージカルらしい、という情報は風の噂で仕入れていた。 何度ダメ…

「生きてるものはいないのか」五反田団+演劇計画2007

演劇計画は、京都芸術センターの行っている演出家発掘・育成のためのプロジェクトで、その2007年版がこれ。五反田団の前田司郎がオーディションで集めた京都と東京の役者たちを使い、2年越しで作り上げた作品である。 大学とその付属病院が隣り合わせに立つ…

「ポエム」表現・さわやか 第4回公演

猫のホテルの役者にして、外部へは客演のほかに脚本提供なんかもやっている池田鉄洋。ドラマやCMなどテレビ出演の人気も上昇中の彼が作、演出する表現・さわやかは、2004年、猫ホ内のユニットとしてスタートし、年1回のペースで公演してきている。 高校の…

「キリエ・カルテット」兎町十三番地04公演

兎町十三番地は、大阪芸大の学生とOBで2005年3月に旗揚げ。劇団名にもなっている架空の町「兎町十三番地」をキーワードとした、地元大阪での過去3度の公演はなかなかの評判をとったようで、今回はめでたく東京へも進出の運びとなったようだ。 コハル、ナツキ、…

「砂漠の音階」風琴工房code.25

二本立ての小公演を挟んで、春以来となる風琴工房。「砂漠の音階」は、昨年の春にスズナリで上演した作品の再演で、実在の物理学者、中谷宇吉郎にまつわる物語である。北海道帝國大学の教授だった彼が、世界で初めて人工雪をつくり出した戦前のエピソードに取…

「東京ハニロボ」あなピグモ捕獲団vol.26(2007AUTUMN)

大学ノートかレポート用紙に手書きで律儀に書き綴った主催者のご挨拶が、第三舞台の鴻上のそれを思い出させるあなピグモ捕獲団。時として80年代の人気劇団を彷彿とさせる彼らの新作は、結成10周年の記念作品でもあるようで。 東京タワーを目指して上京してき…

「道成寺」山の手事情社

YAMANOTE NIPPONと銘打たれたシリーズ上演3演目の2作目。実は、山の手を観るのは18年ぶりのことで、最後は確かサンシャイン劇場屋上の吹きっさらしで、ぴゅーぴゅー冷たい風に震えながら観た「風通しのよいカメレオンリポート」(当時、まだ清水宏が看板だっ…