(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

〝荒神〜AraJinn〜〟SHINKANSEN☆NEXUS

「荒神」と書いて「アラジン」と読む。そう、新感線の新しい芝居は、「アラビアンナイト」の「アラジンと魔法のランプ」にインスパイアされたものとおぼしい。先の帝国劇場「SHIROH」好評の追い風を受けての青山劇場の舞台である。 観客席の客層がどうもいつもと…

〝エンジェル・ダスト〟石井聰互監督(1994)

この「エンジェル・ダスト」が公開された1994年当時は、まだ「羊たちの沈黙」の余韻さめやらない時代であったように記憶している。サイコ・スリラーに熱狂していたファンのひとりとして、この映画の複雑な面白さに舌を巻いた記憶がある。その後、時代も変り…

Starless @渋谷RUIDO K2

スターレスの曲に耳を傾けるとき、そのルーツに歌謡曲があることを強く意識する。彼らの魅力は、ドラマチックな演奏をバックに、メロディアスに歌い上げる女性ボーカルであり、まさに歌ものプログレ(そんなジャンル、あるんかい?)のメインストリームとな…

〝箪笥〟(2003)

ホラー関連で「箪笥」というと、われわれオールド世代には半村良の短篇がまっさきに思い浮かぶが、もちろん別物。韓国の古典怪奇談「薔花紅蓮伝」がもとになっているそうだ。最近流行りの韓流にちょこっとだけ便乗しているわたしとしては、この映画もミステリ…

〝SAW ソウ〟(2004)

配給会社の試写、ロードショーと、ミステリ・ファンの間から高評が伝わってきていたにもかかわらず、どうも生理的にいやな予感がして、先延ばしにしていた『SAW』。しかし、DVDが発売され、いよいよ覚悟を決めて観ることにしました。しかしなぁ、足を…

〝H(エイチ)〟イ・ジョンヒョク監督(2003)

韓流、韓流って騒ぐ前に、わが邦画の文化ももっと大切にしろよな、と思わずぼやきたくもなる昨今の韓国ブームだが、〝AERA〟のミステリ映画特集がきっかけで『殺人の追憶』を見る機会を得て、韓国映画に対する認識を自分の中でちょいと改めた。ミステリ…

『OMOIDE IN MY HEAD1〜BEST&B-SIDES〜』で思い起こすナンバガのプリミティブな魅力

昔々、レコードを買うと、その内袋なんかに〝このレコードは音を大きくして聴いてください〟みたいなことがよく書いてあったものだ。音が大きいということは、ロック・ミュージックにとってのひとつのアイデンティティーだった。 ナンバーガールの音楽を聴く…

『ハイ・フィデリティ』にみる恋とアンソロジー・テープの謎

恋に落ちたとき、人は奇妙は行動をとるものである。その最たるものは、音楽のアンソロジーを作ることではないか。かくいうわたしも、貧しい恋愛経験に正比例してではあるが、好きな女の子のためにせっせとカセットテープのアンソロジーを作ったことがある。…

恋愛をこえた関係の尊さを語りかける究極の恋愛小説『A2Z』

人生もとうに半ばを過ぎ、恋愛などというものにすっかり無縁の身となってしまったわたしだが、色恋沙汰への興味だけはいまだ尽きない。しばしば人生は謎に満ちたものだと思うのだが、その最大のものは恋愛にまつわるものではないか。恋愛さえなければ、人の…