2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧
脚本の福島三郎は、東京サンシャインボーイズの流れをくむ人で、どちらかといえばウェルメイドな芝居を得意とするタイプ。一方、演出のケラは、言わずと知れたバッドテイストの人。というわけで、この水と油の組み合わせこそが、〝噂の男〟の見所となるのは…
演目のタイトルは、横溝正史からの本歌取りだろう。というわけで、まずはミステリ・ファンとしての記憶の整理から。昭和40年代、横溝正史はほぼ忘れられた作家として扱われていたといっても過言ではない。書店では、〝本陣殺人事件〟や〝蝶々殺人事件〟を…
商業演劇という括りかたが妥当かどうかちょっと自信ないが、しかし先のパルコ劇場の〝開放弦〟は、本作に較べれば、良くも悪くも商業演劇だったなぁ、と思うことしきり。〝ワンマン・ ショー〟で第48回岸田國士戯曲賞を受賞している劇作家の倉持裕(ゆたか)…
〝ころがす〟は、劇作家岸井大輔とその弟子田口アヤコによるユニット名。そのユニットが、〝バイエルと女中たち〟と銘打ち、〝1988年6月30日、あるいはバイエル〟と〝手を離したとき目をつむっていたのか それとも最初から目はつぶれていたのか〜ジャ…
とりあえず、セットリストを載せときます。 追記の予定。 2006/08/22 戸川純@南青山マンダラ セット・リスト◆第1部 1.遅咲きガール 2.ヘリクツBOY 3.Yesterday Yes a Day 4.無題 5.諦念プシガンガ 6.吹けば飛ぶよな男だが 7.バージン・ブル…
おぼん休みでしばらく東京を離れていました。悔しいのは、空想組曲、空間ゼリーなどを見逃したことでしょうか。半月近くの空白で、すでに記憶が薄れつつあるという情けなさですが、忘れないうちに親族代表の〝忄(りっしんべん)〟について記しておきます。 …
ふと、箱入りのティッシュペーパーが普及したのはいつ頃からだったろうか、と気になった。というのも、舞台上の日本家屋風の六畳間、卓袱台、テレビはなくラジオ、近づく台風そしてロウソクというシチュエーションは、どうしてもわたしの記憶の中では昭和3…
観直してみて、二度楽しめる映画というのがある。チェ・ドンフン監督の〝ビッグ・スウィンドル!〟がそれである。ロードショーの時に観て、大胆不敵なサプライズ・エンディングに驚き、DVDで再見し、その巧妙な作りに改めて感心した。 冒頭は、強奪犯たちの…
猫のホテルを長い間観てきた友人によると、駆け出し時代の常小屋だったこまばアゴラ劇場から、ザ・スズナリに進出した当初は、舞台が広すぎる印象をもったという。そういうことが、久々の本多劇場(2度め?)に登場した今回も言えるような気がする。ちょっ…
わたしの世代にとって、ボリス・ヴィアンの〝うたかたの日々〟(早川書房刊)は、白水社から出ていた〝日々の泡〟というタイトルで記憶にしみついている。ひょっとこ乱舞の〝水〟は、この青春小説の古典を下敷きにしているという。 それぞれの友人のデートに…