(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

〝恋の渦〟ポツドールVOL.15

「恋の渦」と聞いて、岸田賞をとった「愛の渦」の姉妹編だろうか、という思いがよぎるものの、実は「愛の渦」は観ていない。それはともかく、ポツドールは今年、春先に「夢の城」というアナーキーな作品を上演し、そのあと初夏には6月には女性のスタッフだ…

〝シュナイダー〟elePHANTMoon

クリエイティブチームを名乗るelePHANTMoonだが、今回の舞台を観る限りは普通の劇団や演劇ユニットによるものと殆ど違いはない。あらむしという劇団が前身にあったようだが、詳しいことは判らない。現在の名前になってからは、今回の〝シュナイダー〟が3回…

〝物々交換〟北京蝶々第7回公演

バタフライ効果からその名をとった北京蝶々は、早稲田大学演劇研究会の現役アンサンブルで、2003年に旗揚げしている。劇研の先輩にあたる双数姉妹の舞台に、帯金ゆかりというやたら元気な女の子が客演しているのを見かけて、しりとり式に彼女の所属劇団も観…

〝カオス〟トニー・ギグリオ監督(2005年・アメリカ)

ガイ・リッチーの〝ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ〟に出ていたジェイスン・ステイサム主演の犯罪映画と聞けば、気になって当然というところ。主人公は、休職中の刑事コナーズ(ジェイスン・ステイサム)である。人質をとって逃走した犯…

ムーンライダーズ@C.C.Lemonホール(渋谷公会堂)

そうか、渋谷公会堂は、ネーミングライツの譲渡でC.C.Lemonホールに暫定改名(5年だとか)したのだったなと、ホールの前に立って思い出した。椅子も新しくなったし、悪いことじゃない。 さて、ムーンライダーズの30周年イヤーのファイナル・イベント、3…

〝イヌの日〟阿佐ヶ谷スパイダース

阿佐ヶ谷スパイダースは、個人的には今回の〝イヌの日〟が3度目で、長塚圭史が作・演出したパルコ劇場の〝LAST SHOW〟を入れても4度。〝悪魔の唄〟はなるほどそれなりに面白かったが、〝LAST SHOW〟は風間杜夫がいてこそという気がしたし、〝桜飛沫〟にい…

〝ピンク〟ハラホロシャングリラ

ハラホロシャングリラは、パノラマ歓喜団のプロデュース公演がきっかけとなってユニットからスタートした劇団で、旗揚げが89年というのだからかなりの古顔だ。売れっ子の放送作家中野俊成が主宰し、彼の書き下ろすコントを上演し続けている。わたしは初見で…

〝あなたがここにいてほしい〟散歩道楽

〝あなたがここにいてほしい〟というタイトルは偶然かと思ったが、舞台となるレストランの名前が〝ウマグマ〟(従業員の制服にそうある)とあるのを見つけて、やっぱりPINK FLOYDからの引用か、と確信した。*1いまもプログレにどっぷりと嵌っているわたしは…

〝SPEEDBOY!〟のパラレルな世界

もしかしたら。いや、もしかしなくても、2004年10月の短篇集〝みんな元気。〟以来2年ぶりの舞城王太郎の新刊である。この〝SPEEDBOY!〟は、群像2006年1月号に掲載された作品に修正、加筆したもののようで、講談社の新叢書「講談社BOX」の第一回配本の中の…

〝吉田鳥夫の未来〟無機王第10回公演

無機王の「吉田鳥夫の未来」に、どことなくたちこめる昭和の匂いを感じた。日本家屋のお茶の間、庭を見渡せるガラス戸、旧式のTVなどとともに、家族の絆という根源的な人間関係すらも、今や遠い過去のものになってしまったのかもしれない。しかし、期せず…

〝食〟メタリック農家

ネタバレを見てしまうリスクはあるけれど、インターネット上の劇評には重宝することも少なくない。メタリック農家の〝食〟についても、初日の劇評で仕入れた低い位置での芝居が多いという前知識があったお蔭で、いい座席を選ぶことができた。しかし、芝居の…

補遺・サディスティックス

・10月27日にサディスティック・ミカ・バンドにまつわる個人的なメモを記したけど、関連事項としてサディスティックスのことをほんの少し。 ・1975年に解散したサディスティック・ミカ・バンド(国内でのラストライブは、おそらく1975年9月21日の神田共立講…

〝vocalise(ヴォカリーズ)〟リュカ第10回公演

アゴタ・クリストフの小説『悪童日記』の主人公の名から劇団名をとったというのがなんとも興味深いリュカ(Lucas [lyka])。なぜに、あの三部作?と思わずつっこみを入れてみたくなるが、それはさておき。1996年1月に、上智大学演劇研究会(Suite)のメンバー…

〝元始、女は太陽だったような・・〟毛皮族のアングラ経験劇場

〝コーヒー&シガレッツ〟(ジム・ジャームッシュ監督)というオムニバス映画は、その飄々たる面白さにリスペクトを捧げる演劇人も結構いるようで、この春にペテカンが〝タバコの煙とコーヒーの湯気〟というオムニバスを上演したし、今度は毛皮族が〝コーヒ…

〝ウーマンリブ先生〟ウーマンリブVol.10

今をときめくクドカンこと宮藤官九郎が率いるウーマンリブのVol.10。〝ウーマンリブ〟は、宮藤官九郎の作・演出の芝居を上演するプロジェクトのようなものだが、大人計画の役者たちがこぞって出演するので、大人計画の内部劇団のような位置づけだろうか。困…

〝再生〟東京デスロック

ウェルメイドな芝居も勿論いいのだけれど、こういう出会いがあるから劇場通いはやめられないのだ。東京デスロックの〝再生〟である。東京デスロックは、2001年、多田淳之介、石渕貴士、夏目慎也の3人で旗揚げされ、現在はポツドールへの客演などでお馴染み…