(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「鉄の纏足」東京タンバリン

纏足(てんそく)とはかつての中国で、子どもの頃から布などを巻きつけ、女性の足の成長を阻害する風習のことで、小さい足の女性が美しいとされる価値観に基づいて行われていたものだが、付随して性的な目的や女性の歩行の自由を奪うこともその目的だったと…

「蒲田行進曲」COLLOLリーディングシリーズ recall:1vol.2

COLLOLによるリーディングのシリーズ。古今東西の名作をとりあげていく方向性と思われる。その第一回は、テネシー・ウィリアムズの「ガラスの動物園」とつかこうへいの「蒲田行進曲」というカップリングだが、清水宏の熱い銀ちゃんを期待して、「蒲田」の方…

「はなとゆめ」はなとゆめ第一回公演

ロリータ男爵に籍を置く津久井亜以のプロデュースユニットはなとゆめ。もちろん、ネーミングはあの「ガラスの仮面」でお馴染みのコミック誌からですよね。20歳そこそこの若手らしいのに、出演者にこれだけの顔ぶれを集めるのか、と感心させられる豪華キャ…

「はいざら小町」殿様ランチ アーカイヴス#2

作・演出の板垣雄亮を中心に、2001年旗揚げ。ここ数年は、年2階のきっかりとしたペースで公演を重ねてきている殿様ランチ。新作と並行して、過去の上演作をリバイバルする試みも行っており、今回の「はいざら小町」もそのひとつ。(初演は2003年7月@アルシ…

「ノモレスワ。」クロカミショウネン18

クロカミショウネン18は、2002年に加藤健一事務所、文学座出身のメンバーを中心に結成されたようだ。シチュエーション・コメディを標榜しているが、劇団の掲げる「嘘と勘違いのトリックアート」が、ミステリ的との評判もあって、個人的に気にかかっていた。…

「冬の入口」弘前劇場公演2007

長谷川孝治らにより78年に結成。以来、青森を拠点に活動している地方劇団で、東京公演も数多くこなし、評価が高い。「俺の屍を越えていけ」の畑澤聖悟が籍を置いていたことでも知られる。(畑澤は2005年独立して渡辺源四郎商店を旗揚げ) 地方都市の焼き場の…

「毒と音楽」あひるなんちゃら

2月の「UFOcm」、5月の「屋上のオフィス」に続いて、早くも今年三公演目のあひるなんちゃら。その脱力系の作品世界とは裏腹のこの精力的な活動は、ファンとして嬉しい限り。 ふたつの場面が交互に描かれていく。そのひとつは、とあるバー。アルバイトの…

「衛星都市へのサウダージ」ヨーロッパ企画第24回公演(星組)

さて、〈バック・トゥ2000〉シリーズの連続上演も、いよいよ佳境の3作目。なんでも、当時もっともうけた演目との噂がしきりに聞こえてくるこの作品。下北沢から新宿のシアタートップスに劇場を移し、先に雪組と砂組に分散していた役者たちが結集するというこ…

「ダイブして、今すぐっ ほらっ〜Let's Dive Hey Now」宇宙レコード

G-upプロデュース「散歩する侵略者」や演劇キックプロデュース「天国と地獄」で、独特の存在感がやけに印象に残った小林顕作のホームグラウンドとして、宇宙レコードは気になってました。1996年結成なので、今年が11年目。去年の「そうですね、早くて一時間…

「息・秘そめて」ポかリン記憶舎

地上3cmに浮かぶ楽園、と自らを称するポかリン記憶舎。和服美人のキーワードも、この劇団ならではで、非常に魅力的。主宰の明神慈を中心に97年に旗揚げで、主に春と秋の季節を選び、公演を行っている。 町の片隅で、写真家を講師に招いての小さな規模の講座…

「crossing / program-B 5seconds」風琴工房 PRESENTS

風琴工房が取り組んでいるcrossing というプロジェクトの二演目。カップリングの「おやすまなさい」とはこれまた対照的な、手に汗を握るというか、息が詰るような会話劇。社会派の雄とでも言うべきパラドックス定数が99年に初演、2004年に再演した野木萌葱の…

「crossing / program-A おやすまなさい」風琴工房 PRESENTS

今年から来年にかけて風琴工房が取り組んでいる3つのプロジェクトのひとつ「crossing」。(他の二つは、「砂漠の音階」の再演と新作「hg」の上演)劇団の役者たちが、座付の詩森ロバ以外の作品に取り組む試みだが、演出家や役者ばかりでなく、洞窟のよう…

「スピンオフ」マシンガンデニーロ

マシンガンデニーロは、脚本と演出を担当する間拓哉と、松崎映子、菊池豪の二人の役者で結成された演劇ユニット。2005年旗揚げなのでまだキャリアは浅いが、客演の役者を重視したプロデュース形式での公演を重ね、今回の「スピンオフ」がその第4回にあたる。…

「Nf3 Nf6」SUN-MALLSTUDIO Produce公演

社会派をも視野におさめ、シリアスなテーマに積極的に取り組むパラドックス定数のレパートリーを、個性的な役者を起用し、サンモールスタジオ代表の佐山泰三が演出するプロデュース公演。配役違いの2セットがあり、わたしはtsumazuki no ishiの寺十吾に惹か…

「少女とガソリン」阿佐ヶ谷スパイダース

「日本の女」(2001年)、「はたらく男たち」(2004年)に続く、阿佐ヶ谷スパイダースの暴走する男たちシリーズの第3作。もともと猫のホテルからの客演が多い阿佐ヶ谷スパイダースだけれど、このシリーズはまさに両劇団のジョイント公演の趣き。今回は、お…

「楊貴妃の漢方薬」ファントマ 

いつも派手派手しいチラシが目につき、気になっていたファントマ。主宰の伊藤えん魔は、前身のこれっきりハイテンションシアター/KHTを経て、96年ファントマをスタートさせる。地元の大阪ばかりでなく、シアター・サンモールのクラスで公演をうてるく…

「METROPOLIS PROJECT/Re-metropolis project3」 劇団10x50KINGDOM

短篇演劇というスタイルの確立を目指して、共通の舞台(町)、共通の人物(役者が同一の登場人物を演じる)というルールで、合計300本の短篇(1本が10〜15分程度の二人芝居)を作り上げようというじんのひろあき率いる劇団10x50KINGDOMの壮大な計画M…

「ワンマン・ショー」M&O plays + PPPP produce

シュール、不条理を倉持裕の強烈すぎる持ち味だとすると、去年夏のパルコ劇場の「開放弦」は、演出のG2演出と水野美紀ら(PPPP以外の)役者たちによって、それを中和する試みだったのかもしれない。しかし、中途半端に終わったあれは、どうみても失敗でしょ…

「ムラムラギッチョンチョン」タテヨコ企画第14回公演

タテヨコ企画は、すけこまシアター、東京タンバリンと役者としてのキャリアを積んできた舘智子が、作・演出の横田修と組んで、1999年にスタートさせた劇団。ネーミングの由来は……、言わずもがなですな。個人的に、舘智子は4月の乞局「媚励」への客演が、ま…

「ヒトガタ」グリング第14回公演

ヒトガタとは、人の形に似せて作ったもの、すなわち人形である。昨年「虹」で、めでたく紀伊国屋ホール進出を果たしたグリングだが、今回は2002年に初進出のザ・スズナリで初演された出世作を、キャストを大幅に入れ替えての再演で、人形の頭(かしら)職人…

「ファイナルファンタジックスーパーノーフラット」劇団、本谷有希子 第12回公演

主宰の本谷有希子は、昨年の『遭難、』で鶴屋南北戯曲賞を受賞し、文学方面でも芥川賞、三島由紀夫賞の候補になるなど、近年の活躍が著しい。佐藤江梨子主演で映画化された「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」の公開も間近に控えている。今回は、2001年の「…

「ともだちのともだち Ver.2」 RONNIE ROCKET Presents

客演したポツドール「激情」(再演)での怪演ぶりもまだ記憶に新しい仗桐安(じょうきりあん)率いるRONNIE ROCKET。97年3月に高多康一郎(仗桐安の旧名)を中心に早稲田大学演劇倶楽部のサークル内ユニットとしてスタートし、「観客を飽きさせない娯楽作品…

「しゃべる猫とだらしないひと」猫の会 その1

ちょっと心がほっこりするような演劇作品を発信することが目的と、主宰の北村耕治が語るユニット猫の会の旗揚げ公演である。ユニット名のとおり、猫が主人公の物語だ。猫という題材は、ありふれているだけに案外取り上げ方が難しいと思うのだが、さて。 南米…