(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

2007-01-01から1年間の記事一覧

2007年に観た芝居のこととか

月並みだけれど、一年が早いなぁ。振り返ってみると、散歩道楽の「くらい」からクロムモリブデンの「スチュワーデスデス」まで、今年観た芝居は数えてみたら197本あって、思ったよりも多かった。もう少し絞れよ、って囁きが心の内側から聞こえてきたりも…

「スチュワーデスデス」クロムモリブデン

この芝居の前売りで珍しくチケットぴあを利用したら、売り場で発券の際に「今回は重実百合さんのご出演はありませんが、よろしいでしょうか?」と、心を見透かされたように、念押しをされました。「え?」と言葉に詰まったわたしもわたしだが、しかし、いち…

「crossing 2 program-A」風琴工房PRESENTS

今年6月に続く二度目のcrossingは、不条理劇系の一挙4作品を俎上に。エレベーターを降りると、まず案内の人(笹野鈴々音)から注意を受ける。「受付は舞台上にあります、非常に感じの悪い受付なので気をつけて下さい」、とのこと。おおお、確かに感じ悪い受…

「crossing 2 program-B」風琴工房PRESENTS

主宰者の言葉を借りれば、このcrossingという企画は他者の言葉に出会う試みだそうで、サッカーでいえばアウェイの戦いだろうし、剣術でいうならば他流試合ということになるのだろう。主に狙いは役者たちのスキルアップだと思うが、観る側にも(風琴工房とい…

ムーンライダーズ First & Last Gig 2007 @渋谷クラブクアトロ

結成31年目、今年たった1回のライブ、それも年末滑り込みで。2デイズだけど、もう一日はゲストが多くて、彼らの持ち時間はきっと少ないだろうとの読みから、わたしはこの日に。 しかし、満員ですなぁ。フロアも身動きがとれないほど。ま、年一度じゃ、し…

「偏路」劇団、本谷有希子第13回公演

第9回公演の「乱暴と待機」以来の付き合いだが、異様に歪んだ、ときにアンリアルな世界を提示する本谷有希子は、わたし自身の中で賛否両論ともいうべき困った劇作家のひとりだ。観終えて、?(はてな)という思いで帰ってくることも多いが、「遭難、」のよう…

Starless Live @沼袋サンクチュアリー

今年1月以来の東京。そして、現在のメンバーになってからは、おそらく初めての東京ワンマン。なんでも、このあと年明けに、アルハンブラの2ndレコ発ライブへの出演が、大阪と名古屋であるらしいが、今回を含めてセットリストがすべて違うとのこと、素晴らし…

「人間フィルハーモニー」マンションマンション

昨年春の第二回公演「キング・オブ・心中」の向かい風を浴びながら台詞をいい放つ登場人物たちにすっかり心奪われたわたし。横畠愛希子率いるマンションマンションの次回公演を、今か今かと待ちわびておりました。今回、さらに嬉しかったのは、またもや高木…

「メリー」国分寺大人倶楽部 Vol.3 クリスマス公演

ポツドール、jorroらのフォロワーの位置にぴったりつける国分寺大人倶楽部。まだまだ未熟なところも目につくけれども、旗揚げから1年の間に3度の公演を行うあたり、意欲的な取り組みには頼もしいところもあって。 出来がいいとはいえない生徒たちが集う三…

「親兄弟にバレる」柿喰う客 お台場SHOW-GEKI城参加作品

フジテレビ主催のコンペティションを覗きに行くというよりは、柿喰う客の旧作再演を観るつもりで。なにしろ、今年に入ってからの彼らの充実ぶりはなかなかのもので、年明けのシアタートラムを含めると、まさに怒涛の3か月連続公演になるわけで。 伝統的な格…

「WORMAN -ワーマン- a worm-in-progress」Science project+マヤ印

双数姉妹を卒業した大倉マヤと五反田団の西田まやによるユニット、マヤ印。旗揚げは、清水邦夫のジェントル・ゴーストストーリー「楽屋」をort-d.dの倉迫康史の演出でじっくりと見せてくれました。ほぼ1年半ぶりの第二弾は、ニューヨークからやってきたシア…

「ビューティ・クイーン・オブ・リナーン」パルコ・プロデュース公演

1971年生まれのマーティン・マクドナーを、ひと世代下の長塚圭史が演出するパルコ・プロデュースのパート3。「ウィー・トーマス」(2003年と2006年)、「ピローマン」(2004年)に続くのは、マクドナーのデビュー作で、リナーン三部作の一角をなすという「…

「わが闇」NYLON100℃ 31st session

2004年の「消失」以来だというから、ずいぶんと新作から遠ざかっていたものだ。そういえば、その間に再演した「ナイス・エイジ」だって、本来だったらそれなりに手を入れるべき内容(主に時代設定など)だったのに、ほとんどまんまの上演だった。主宰から、…

ゆらゆら帝国 LIVE2007@渋谷AX

「空洞です」ツアーの東京ファイナル。各地をまわってきた結果、新アルバム収録曲もライブ用にこなれて、かなり凄いことになってました。わたしは、木場、横浜に続いて、ツアー3度目だけれど、勿論この日がもっとも良かった。坂本をはじめとするメンバーの…

「ぷりずむてん」プリズム企画

10回目なので「てん」。わたしは、先の山の手事情社公演でもらったちらしで初めて知りました。「道成寺」でのディープな芝居ぶりを観た興奮が、まだ脳内でさめやらぬふたりの女優を目の当たりにできる格好の機会だと思って。 東急本店、BUNKAMURAの先って感…

「俺たちに他意はない」シベリア少女鉄道Vol.18

久しぶりに足を運んだ前回公演(5月の「永遠かもしれない」)で、進境著しい前畑陽平と篠塚茜を観て、またちょっと観てみようかという気になったシベ少のほぼ半年ぶりの新作公演。 昼下がりの喫茶店。5人いる客はそれぞれに待ち人をしている様子だが、そこに…

「キル」野田地図(NODAMAP)第13回公演

羽野晶紀(94年)、深津絵里(97年)ときて、広末涼子がヒロインのシルク役のバトンを受け取った再々演。わたしは、おそらく初演を観ている筈なのだが、情けないことにほとんど記憶に残っていない、嗚呼。 舞台の羊の国とは、おそらくモンゴルのこと。腕のい…

「鱈。のへ 二匹目のどぜう、発見。〜平成生まれにゃ負けないゼ!〜」Hula Hooperの部活動

年の瀬にはもってこいのバラエティ仕様なので、演劇としてあーだ、こーだ言うのはどうかとも思うが、しかし前回「鱈。のふ」は、趣向の面白さも決まって、なかなか観ごたえのあった彼女たちの部活動。再び渋谷のライブハウスを舞台にしての第二弾。 第一部は…

「未来ルルルルルルル」あひるなんちゃら

今年はやけに精力的で、すでに4公演目(これまでに、UFOcm(ユーフォーセンチメートル)、屋上のオフィス、毒と音楽)のあひるなんちゃら。黒岩と根津は、その間客演(MCRと乞局)でもなかなかいい仕事もしているが、さらに年末には新宿村の企画イベントに…

「女の果て」ポツドール

三浦大輔に替わって、溝口真希子がイニシアティブをとる女版ポツドールの2作目。前回は、惜しくも先ごろ退団してしまった安藤玉恵を中心に、撮影現場の控え室を舞台に、AV女優たちの人間模様をビビッドに描いて見せて、大きな成功を収めたが、さて今回は。 …

「死ぬまでの短い時間」M&O Plays プロデュース

見渡す限り、女性、女性、女性の観客席。年齢層はさまざまだけれど、とにかく女性だらけ。凄い人気だなぁ、北村一輝と田中圭(ですよね?)。秋山&内田の美女コンビお目当ての男性客は、ほぼわたしひとりという状態のベニサンピットである。 自殺の名所とし…

12月に観たい芝居

師走の慌しい中でどこまで足を運べるかが勝負。このほかにも、お台場、新宿村があって、過密スケジュールは必至です。 そんな中で、Hula-Hooperとぷりずむてんは、忘年会仕様と勝手に心得、楽しみにしております。 火星の倉庫(ヨーロッパ企画)@シアターサン…

「監視カメラが忘れたアリア」虚構の劇団 旗揚げ準備公演

自身のプロデュースユニットKOKAMI@networkがありながら、新劇団の立ち上げっていったい?そんな素朴な疑問を抱きながらも、期待せずにはおれないのが、第三舞台の(オールド)ファンの人情ってもんで、わたしもそのひとり。でも、第三舞台の休眠中に別の劇…

「三つの頭と一本の腕」桃唄309

わたしが過去に見た作品からは、ローカルな因習や都市伝説を得意とすることが伺える桃唄309。彼らの新作は、その直球ど真ん中ともいうべき、横溝正史もびっくりの土俗的な田舎ミステリの世界だ。 東京で活動する地方の歴史や伝承を研究するアマチュア・サー…

「Get Back!」グリング第15回公演

幕開きのときに少しだけかかる曲で、ああやっぱり出典はビートルズだったか、と思ったグリングの新作。ポール・マッカートニーが作った曲のタイトルに「!」はないけど、確か、原点に帰れ、というようなことを歌った曲の筈で、さてそうは言うものの果たして…

「ときめき都内」チャリT企画

当日、劇場へと向かう下北沢駅の階段を降りながら、ようやく閃きました。ときめき都内=ときめきトゥナイト。なーるほど。えっ、遅過ぎですか? いくつものエピソードが並行、錯綜する物語。自爆テロを企てる転落したアイドル魔亀旬。対立するデジタル団とア…

「マイルドにしぬ」演劇ユニットプロペラ犬旗揚げ公演

客演も、新感線、阿佐ヶ谷スパイダース、PPPPと来れば、これで芝居好きでなかったら嘘でしょう、という感じの水野美紀だけれど、いよいよ自身のユニットを脚本家楠野一郎とのチームで立ち上げ、スタートさせた。小劇場、お笑い、二人芝居を掲げるユニットの…

「ホワイト伯爵」殿様ランチ ACT12

現実と虚構の境界線を話題にした当日パンフの主宰ごあいさつに、今回公演のヒントがあると思ったのは、穿ちすぎ? サンモールスタジオを中央に横切る白一色の舞台。幕があがると、後手に手錠をかけられた板垣雄亮が椅子に括りつけられている。どうやら、何ら…

「傷は浅いぞ」柿喰う客第11回公演

まるで群集劇のような前作「性癖優秀」で、両手両足の指で数えても余るほどの登場人物ひとりひとりの輪郭をブレなく見せたことに感心させられた柿喰う客。あまり間を措かないでの今年四回目の公演は、劇団のコアなる部分を支える役者たちによる四人芝居であ…

「コントローラー」北京蝶々第9回公演

コンスタントにアトリエ公演を重ね、着実に成長を遂げている早稲田大学劇研の現役アンサンブル北京蝶々。新作の「コントローラー」(大塩哲史作)は、手演出家コンクール2007にエントリー中で、現在、乞局の下西啓正らとともに二次審査に残り、健闘している…