(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「眠れない夜なんてない」青年団第56回公演

吉祥寺シアターにて青年団久々の新作。老後の生活をマレーシアで送る日本人のための定住型リゾートマンションを舞台に、そこで暮らす日本人たちのそれぞれの事情と人間模様を描く。 退職リタイア組がいたり、仕事の赴任先がこの地という現役組がいたりと、居…

「混じりあうこと、消えること」シリーズ・同時代Vol.2

新進の劇作家と世代の異なる演出家がコンビを組むシリーズ・同時代のパート2は、「生きてるものはいないのか」で本年岸田戯曲賞に輝く前田司郎が登場。 夜の公園。ひとりの中年男(國村隼)がふらりとやってくる。葬式の帰りだろうか、喪服姿で、どことなく…

「その夏、13月」チェリ−ブロッサムハイスクール PLAY_4

2005年旗揚げ、小栗剛(作)、柴田雄平(演出)は高校時代の仲間らしいが、劇団結成は卒業から10年後のことだったようだ。最初の公演は、翌年の2006年に行われたとHPには記されている。最近、ちらしや劇評が目につくようになったが、わたしは味わい堂々の…

「俺を縛れ!」柿喰う客第13回公演

公演インターバルの短さが、劇団の上り坂を物語っていて、今まさに見逃せない柿喰う客。フランス遠征にお付き合いできなかったのはやむなしとしても、4月の凱旋公演を仕事のせいで見逃したのは残念。さて、新作は佐藤佐吉演劇祭の皮切りとなるロングラン公演…

「夕-ゆう-」東京セレソンデラックス2008夏

ベタで甘口のセレソンDX。いや、こう書くと悪口のようにも聞こえるだろうが、そのロマンチシズムのディープさは半端じゃない。ほら、ときどき無性に甘いものが食べたくなるときってあるでしょ?そんな感じで、わたしの心は、時にこのセレソンDXを欲するわ…

「Root Beers」KAKUTA 漢祭り2008 in U.S.A.

漢(おとこ)祭りと銘打たれているので、夏にオール男優はちょっと暑苦しいな、と思ってたところ、幸いにして違いました。桑原裕子以下、看板の女優陣も賑やかに加わっての、2004年上演作の再演。 ロサンジェルスの下町にある、ちょっとあやしいモーテルの一…

「ネムレナイト2008」大人の麦茶 第15杯目

人気のレパートリーのようで、今回が再々々演とのこと。(ちなみに初演は1999年だから10年前のことだ)お馴染みのアイドルの出演もあって、紀伊國屋ホールは連日大入り、前売りだけでソールドアウトの日もあったらしい。 お寺の本堂に現れては、歌を歌ったり…

「I do I want」空間ゼリーvol.10

空間ゼリーを観るようになったのは、昨年3月の「ゼリーな空間」からだから、まだ1年ちょっと、公演にして4回目だ。高校を舞台にした「ゼリーな空間」の高校生のビビッドな感覚に驚いたけど、世代的な近さに助けられてのことだろうと思ってました。しかし…

「て」ハイバイ

ハイバイとしては今年初だが、主宰の岩井は精力的で、「投げられやす〜い石」@ゴールデン街劇場、「おいでおいでぷす」@アトリエ春風舎に続く公演となる。お葬式をテーマに、得意の私演劇の世界を繰り広げる新作。 祖母の葬式に、久々に顔を揃えた一家。頼…

「水平線の歩き方」演劇集団キャラメルボックス ハーフタイムシアター2008

去年俳優座で「猫と針」を観たけど、あれは恩田陸の脚本がお目当てだった。というわけで、実に久々にキャラメルボックスを観てみたくなって、閉館目前のシアターアプルへ。80年代の終わりから続いているハーフタイムシアター、まずは新作の「水平線の歩き方…

「ハックルベリーにさよならを」演劇集団キャラメルボックス ハーフタイムシアター2008

話題になっている新宿歌舞伎町にあるコマ劇場の解体計画。それにともない、このシアターアプルも閉館になるのだけれど、正直、ちっとも残念な気がしない。コマにしても、アプルにしても、古いし、暗いし、きたないし、椅子だってオンボロ。そのくせチケット…

「夜明け前後」中野成樹+フランケンズ、の短々とした仕事その3

うかうかしていると、つい公演を見逃してしまいます、フランケンズ。というか、フランケンズではないけど、今年2月のE-Pro@江古田ハウス(中野成樹誤意訳)は、気がついたら終ってました。要マークだな、江古田ストアハウス。そのE-Proで上演したウィリア…

「怒って怒って」劇団おぼんろ番外公演3.5(PPOI喜劇祭)

自戒を込めて、おんぼろではありません、朧(おぼんろ)。(すみません、前に間違えました)おそらくはエンクラこと早稲田演劇倶楽部出身の劇団で、2006年の冬結成。以来、どらま館やタイニィアリスでの素晴らしい観客動員が風評で伝わってきて、企画ものの…

「鳥瞰図−ちょうかんず−」シリーズ・同時代Vol.1

シリーズ・同時代は、新国立劇場が主催するコラボレーション企画で、注目を集める若手劇作家の書き下ろし作品を、異なった世代の演出家が手がけていくというもの。わたしは、劇作家の顔ぶれに惹かれて、3本全部が観られる割安の通し券を買いました。その一…

「ねこになった漱石」東京ギンガ堂公演

早稲田には文豪夏目漱石の生家があって、その近所には夏目坂と名のつく通りまである。というわけで、東京都新宿区にとって夏目漱石は貴重な文化遺産のひとつということもあって、今回の公演にも大きく肩入れをしているようだ。東京ギンガ堂は、劇作家・演出…

「すすめ!!観光バス」動物電気2008年初夏公演

政岡泰志、小林健一、辻修の3人の出演作には、嫌と言うほど(失礼)遭遇しているのだが、実は動物電気を観るのは初めて。93年旗揚げから15年というキャリアを誇る彼らが、久しぶりに小さな駅前劇場に戻っての公演。 風光明媚な湖くらいしか見所のない鄙びた…

「立川ドライブ」THE SHAMPOO HAT 第22回公演

「東京」(赤坂RED/THEATERプロデュース)、「ねずみ男」(青年座)に続く今年3本目の赤堀雅秋作品。このあと、3軒茶屋婦人会の「ウドンゲ」があって、秋には劇団の次回公演まで控えている。いやはや、どこまでやるんだ、今年の赤堀雅秋。 交番勤務のしがない…

「鮮やかな食卓」角角ストロガのフ第一回公演

ずいぶんと前から公演チラシが出回っていて、いつの間にやら刷り込まれてしまっていました、角角ストロガのフの旗揚げ公演。主宰者の顔の広さゆえか、出演陣がずいぶん多くのカンパニーにまたがる賑やかさにも惹かれて。 晩餐の食卓で、次から次へと給仕され…

「プリマ転生」ロリータ男爵

2003年に中野ザ・ポケットで初演した作品の再演。初演時より歌曲を増やし、上演時間も30分以上伸びたという事前の触れ込みもあって。 バレエ発表会の当日、会場へと向かう生徒たちを乗せたピエールバレエ教室のバスは、橋から転落。付き添いの教師を含めて、…

「杭抗(コックリ)」乞局第14回公演

そのネーミングの由来さえ、すでに人々の関心から遠のいてしまった平和島(東京都大田区)をめぐる年代記。考えてみると、平和の島という名前はすごい。太平洋戦争を挟んで埋め立てが行われた人工の島で、戦時中は連合国側の捕虜収容所があったり、ひところ…