(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

東京夜光/BLACK OUT(くらやみで歩きまわる人々とその周辺)

切実な舞台を観た。休憩を挟んでの2時間40分は、当初、上演時間として正直長すぎるようにも思ったが、杞憂だった。

ある舞台稽古の風景。演出助手は、何か周囲の目を気にしているようだ。しかし、それが何であるかは、そこでは明かされない。そこから時間は少し遡る。ある商業演劇のやはり舞台稽古が行われている。

主人公の真野は、作・演出を志し、小劇場系のユニットを主宰している。そこそこ器用で、それなりに客も集まるが、それが彼の限界でもある。しかし演出助手としての手腕を買われ、とある商業演劇の公演で仕事をすることになった。作家と出演者の衝突など、よくある厄介ごとが彼を悩ますが、なんとか対応し、仕事をこなしてていく主人公。偶然にも自身のユニットの次回公演も決まり、順風満帆にも思えたが

舞台が出来るまでの過程を描いた物語だ。それも2020年夏、コロナ禍のさ中、今まさに演劇が晒されている危機的状況の中である。まさに今そこにあるリアルのさ中の物語といってもいい。

さらにそこに織り込まれるのは、才能をめぐる持つ者と持たざる者をめぐる物語。いやでも三谷幸喜の『コンフィダント・絆』を思い出す。残酷な物語である。

BLACK OUT』は、それら二重の切実さを描く舞台だった。作・演出は、川名幸宏、東京夜光というのは彼のユニットのようだが、しかと記憶した。

 

MITAKA NextSelection 21st

8月28日ソワレ

三鷹市芸術文化センター星のホール

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