2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧
サブタイトルにあるとおり、カフカの小説3篇をモチーフにした新作。ケラとしては、2001年にオリガト・プラスティコのために書いた「カフカズ・ディック」に続くカフカを素材にしてのチャレンジになるわけで。 意外性に富んだ筋運びに夢中になるうち、いつの…
2008年に駅前劇場で初演したものの比較的忠実な再演。しかし、前回以上に作品が客席に迫ってきた印象を持つのは、物語をなぞるのが二度目だからだろうか。役者たちの咀嚼度も、やはり確実にあがっているのではないかと思うが。 全く自分のためというか、自分…
「はちみつ」といえば、スィートなスピッツの名曲を思い出してしまうわたし。(ちょっと古過ぎ?)でも、ダークな作風が持ち味のこゆび侍の新作の味は、やはりかなり苦目で。 負け犬同士の傷の舐めあい。破滅の瞬間が訪れたとき、僕たちはくちびるを重ねた。…
鈴木蘭々をフィーチャーした松尾スズキの新作。溌剌としたヒロインが活躍する下町人情喜劇をブラックなテイストで。 サッちゃん(鈴木蘭々)は、下町の定食屋を切り盛りしている看板娘。そろそろ30に手が届こうとしているが、今日も元気いっぱい。そんなサッ…
寺山修司のこの戯曲については、もちろん知っていたけれども、32年前のPARCO劇場が初演だったとは知らず、びっくり。パルコ初演出だという白井晃が、この作品をなぜ?というちょっと素朴な疑問もかかえて劇場へ。 舞台は上海。この街を支配する中国の不思議…
座付き作家/演出家が、それぞれの代表作を交換して、上演し合う東西の交流(?)企画。なんと4年がかりのプロジェクトとのこと。 酒屋でアルバイトを見つけた主人公。注意をたれる先輩の話に、青木さん家の奥さんという人物がやたら出てくる。どうやら、お…
10月7日に発行されたメルマガ「小劇場レビューマガジン ワンダーランド」の160号に掲載されました。メルマガ以外では、間もなく「小劇場のいまにふれる劇評サイト〜wonderland」で読めるようになります。タイトルは「鬱蒼とした森の物語 現実との交錯、衝…
第二部 * 伊賀越道中双六 沼津の段 * 艶容女舞衣 酒屋の段 ■データ15時00分開演/18時05分終演
公演期間中に、モントリオール映画祭で主演作の「ヴィヨンの妻」(根岸吉太郎監督)を受賞したというニュースも飛び込んできた(監督賞だが)松たか子がヒロインを演じる松竹製作のミュージカル。 両親を突然の病気で亡くしたジェーン・エア(松たか子)は寄…
わが道を往く女子たちの和製モンティ・パイソン、げんこつ団。いや、ルーツこそパイソンズなのだろうけど、すでにげんこつ団以外の何者でもない個性もしっかりと築いている彼女たちによるほぼ一年ぶりの公演。 国に住み国の保護を受け国のために働いては、国…
柿喰う客が結成5周年というのに、ややびっくり。いや、てっきりもっと年数を重ねているものと思いこんでました。 北東北の山深き寒村、霧田村。人を食い殺す"化け狐"伝説が残るこの村で、身元不明の惨殺死体が見つかった時、村人たちの運命の歯車は、少しず…
主宰の河西裕介がポツドールへの客演でおなじみなことから、三浦大輔のエピゴーネンと思われることもあるようだが、なかなかどうして、彼らならではの独自性も感じられて。まだまだ手探りの段階だと思うが、これからが楽しみな国分寺大人倶楽部の1年ぶりの…
今年上期のちょっとした衝撃だった「レドモン」@王子小劇場のカムヰヤッセン。主宰の北川大輔は、東京大学の劇団綺畸にいた人のようで、2008年に独立して学内で旗揚げ。今回のGreen55学生芸術祭vol.3への参加も、東大代表という位置づけのようだ。 近未来の…