2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧
本公演を拝見するのは初めて。昨年ルデコでの企画公演を観ているが、オムニバス構成の3本目が、とりわけ彼らの本質に近いのではという気がしていた。(直感でしかないが)すなわちそれは、純文学と通俗文学のやじろべえのような作風なのだが。 男は十数年前…
劇団MONOの役者水沼健が作・演出を手掛けるユニット壁ノ花団の新作。昨年11月の京都公演で、作品が十三夜会奨励賞を、また出演者のF.ジャパンと亀井妙子が第11回関西現代演劇俳優賞を受賞というちょっとした鳴り物入りでの東京公演だ。 30個あまりの古びた…
前回観た「授業」というのが、教師を中田顕史郎が演じ、生徒を宮嶋美子が演じた風琴工房の番外公演で、小悪魔的な魅力の宮嶋も去ることながら、中田のやたら達者な教師役が素晴らしく、その印象が強く残っているため、どうしても男優陣には厳しいものさしを…
役者のスキルアップを目指していると思しき乞局の番外公演。「授業」は、言わずと知れた20世紀フランスの不条理劇作家イヨネスコの代表作で、幾通りかのキャストでそれにチャレンジという企画。まずは、教師役三橋、生徒役岩本、女中役墨井のバージョンから…
去年、リキッドで四人囃子とのジョイントライブを観て、一目ぼれ。機会あれば、ワンマンに足を運ぶつもりでした。ポップでありながら、ちょっとした屈折感のある楽曲が魅力だし、バンドの基本スタンスが非常に誠実なところが買いで。 ただし、この日のセット…
同じ会場で去年観た10年ぶり(実は11年ぶりだったというのが正しかったようだが)というGOVERNMENT OF DOGSは、わたくし的にはビミョーで、キレのないコントに退屈したよくない記憶があるのだが、今回は1997-2008年の集大成、故林広志の11年間のベストとま…
彼らにとって自家薬籠中の古典から離れ、ちょっとびっくりの山の手事情社の新作。しかし、今回の現代劇仕様は、実に新鮮。文学的な評価が定まっている過去の作品ばかりでなく、こういう公演も、時おり差し挟んでくださいよ、安田さん、とつい言いたくなる。 …
不覚にも、観る前はクドカンの本だということをすっかり失念してました。しかし、おポンチなイントロからして、紛うことない宮藤官九郎。新感線のマンネリズムは、観客にある程度のクオリティを保証するという意味でひとつの売り物だと思うが、この人の脚本…
後日、本文を追記する予定です。 (115分) ■データ マチソワの間にLUCYでカレーで腹ごしらえをしたソワレ/こまばアゴラ劇場 作・演出/田上豊 出演/星野秀介、松高義幸、安村典久、平岩久資、堀善雄(ザ・プレイボーイズ)、大橋一輝、二宮未来、藤井優美恵…
山の手事情社の水寄真弓とOrt-d.dの倉迫康史のユニットzupa。その結成の理由を、もし山の手がなくなっても好きな演劇が続けられるように、と語っている水寄のコメントを見かけたけど、いや、素敵ですね、そのスタンス。今回の公演から、かつて第三舞台にいた…
久々に足を運んだ前回のハーフタイムシアターで、2本続けて泣かされました、わたし。今回の「光の帝国」は、一昨年キャラメルボックスに「猫と針」を書き下ろした恩田陸の原作もの。原典にあたる「常野物語」は連作で、本作はそのシリーズの幕開きの一編(…
中屋敷法仁の脚本提供で、柿喰う客の弟分(いや、妹分か)といった感じのバナナ学園純情乙女組。二階堂瞳子を中心に、桜美林大学のメンバーにより結成。2008年春の初舞台から、とんとん拍子で王子小劇場に辿り着いた彼ら。 「今日から3年間よろしくね!…3…
ポップロックの新たなマエストロによる待望の来日公演。しかし、メジャーのレーベルが先行シングルの売れ行きだけで契約をキャンセルしたというのは、まったく解せない。この人のカラフルで引き出しの多いポップセンスは、どう聴いても並じゃないでしょう。…
このカンパニーらしいちょっとお洒落な会場で、フード、ドリンクなどを口にしながら、お気楽に楽しむ2005年初演作品の英語版によるリメイク、リミックス上演作。なんでも、今年8月にハンガリーのブダベストでの海外公演を控えているそうで、めでたいことだ。…
チラシに掲げたこのひとことにぐっと来ました、ブルースカイの新作。すなわち、「やっぱりナンセンス劇ってもう古いですか?それならそれで、そういうの懐かしみに来てください。」もちろん、行きますとも。しかも、今回は池谷のぶえや小林裕次郎も顔をそろ…
aki nagatani&danscapesは、パパ・タラフマラにもいたことがあるらしい永谷亜紀により、1999年結成。 長年一緒に暮らしていた女を亡くした男は、その葬式の帰り、彼女似のフィギュア(人形)を衝動買いしてしまう。そして、アーケードですれ違う、いつもよく見…
作・演出の鐘下辰男がガジラをスタートさせたのは、87年のこと。お芝居を観始めた頃とほぼ一致し、彼らが積極的な公演を重ね、世間の評価を高めていった時期を、わたしはリアルタイムで経験している。しかし、評判を耳にしながら一度も観にいかなかったのは…