2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧
あちこちの公演の作や演出にその名前を見かけることの多くなってきた青木豪。新作のタイトルは、ピース=peace(平和)=piece(断片)。よそへの提供脚本に、いくつかの新作書き下ろしを追加した、短編集のような、オムニバス長編のような作品。 物語の組成…
2年前に大阪から東京に拠点を移して4作目となるクロムモリブデン。わたしはファーストコンタクトだった「猿の惑星は地球」で愕然、次の「マトリョーシカ地獄」で呆然、とどうしても物語の展開についていけないところがあったけど、前回の「スチューワーデ…
双数姉妹がまだ早稲田劇研の圏内にあった1994年初演の劇団としての代表作と言われている作品。その頃はお芝居から離れていた時期で、わたしは今回が初見。一度2001年にも再演されているので、今回は再々演となる。(初演、再演ともに、@青山円形劇場) 円形…
女もつらいよ的に、若い女性の生き方をシニカルに描く桃色バカンスの第二回公演。わたしは、前回公演の好感度もあるけど、神様プロデュースの鈴木華菜がお目当てで。そういえば、主宰の増山千花は神様プロデュースの演出助手やってた人ですよね。 クラブのコ…
(セットリスト) Canon and Gigue in D Major(opening) Catherine Howard Morning Has Broken And You And I 〜 Wonderous Stories The Dance Of A Thousand Lights Jane Seymour The Meeting Arthur Catherine of Aragon Help! 〜 Eleanor Rigby ・アンコール…
早稲田の劇研から出た少年社中の10周年記念公演第2弾。劇団HPによれば、この「アルケミスト」は10年前の記念すべき第一回公演@大隈講堂裏劇研アトリエの作品で、今回はその再演とのこと。 サンチャゴ(堀池直毅)は旅に憧れていた少年時代の夢を実現さ…
倉持裕としては5月のM&O Plays プロデュースの「まどろみ」@あうるすぽっと、PPPPとしては去年10月の「ゆらめき」@吉祥寺シアター以来となる新作。今回は、ややスケールを大きくして、テーマは国家。 パリエロは、色々な経緯があってマリムという大…
シリーズ・同時代もいよいよクライマックス。三番手はモダンスイマーズの座付き、蓬莱竜太の登場である。今回の三選手の中では、商業演劇のキャリアからいっても、もっともこの舞台に相応しい作家といっていいかもしれない。 村祭りの晩、男衆たちは神輿を担…
春の阿佐ヶ谷スパイダースの公演@ベニサンピットでは、エドワード・オールビイをも彷彿とさせる不条理劇で観客を煙に巻いた長塚圭史の新作にして、渡英前の置き土産的な作品。パルコ劇場での作・演出は、「ラストショウ」以来3年ぶりとなる。 朽ち果てる日…
テーマ、スタイルともに、一作ごとの意欲的な取り組みが楽しみな東京ネジ。さまざまな冒険をしても、クオリティで観客を裏切らないところが贔屓の理由で、個人的に新作が楽しみな劇団のひとつだ。 耳かきを生業としている女性みみみ(佐々木なふみ)。彼女の…
「SHINKANSEN☆」に続くアルファベットのクレジットがちょいややこしいが、公演ごとに異なるこの区分が実は重要。RXは音楽劇(ミュージカル仕立て)の区分と思しい。SHINKANSEN☆RXとしては4年ぶり、つまりあの傑作「SHIROH」以来ということだ。 天下の大泥棒…
名執健太郎のプロデュースユニットsmartballは、2006年「My Legendary Girlfriend」@王子小劇場で旗揚げ、翌年に「The Perfect Drug」@三鷹市芸術文化センター星のホール、そして今年王子小劇場に戻ってこの「Kiss me, deadly」と都合3作を上演したが、今…
毎年6月の桜桃忌にちなむ三鷹の〈太宰治作品をモチーフにした演劇〉も、今年で5回目。去年はポツドールだったが、今年は東京タンバリンの高井浩子を招いて、戦後間もない東京を舞台に4人の芸術家たちの姿を描いていく。 画家や作家、文学志望の青年ら4人…
前々回公演(2007年9月・青山円形劇場)の再演でも、やはり素晴らしい舞台を見せてくれたイキウメの「散歩する侵略者」だけれど、この里程標的ともいうべき作品は、前川知大にとって功罪相半ばするものになりつつあるのではないか。というのも、ここ1年だけ…
せんがわ劇場は調布市の市民劇場で、個人的には自宅から自転車でちょちょいっと出かけられる半径にある劇場のひとつで、柿落としに掛かった永井愛の「時の物置」の記憶もまだ新しい。「ローゼ・ベルント」という戯曲も、ハウプトマンという作者も、不勉強の…