2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧
北京蝶々は早稲田大学劇研の現役アンサンブルで、学生らしい(といったら、今のかれらにはもはや失礼かもしれないが)チャレンジ精神で公演を重ね、確実に力をつけてきている。今回は、本公演に先駆けてまずはβ版を公開し、観客の反応を見ながら軌道修正をし…
時間堂は1997年、主宰(堂主を名乗っている)の黒澤世莉が立ち上げ。ぽつり、ぽつりと公演を積み重ねてきているようだが、昨年リュカ.との共催だった〝vocalise(ヴォカリーズ)〟が非常に印象的で、そのすぐあとの王子小劇場プロデュース(これも共催)の〝…
八嶋智人、藤田記子、そして吉田も山崎も出ないカムカムミニキーナ。おなじみ野田秀樹の血をひく彼らの路線を離れて、佐藤恭子を中心にすえた〝ピロシキ〟に近い感じかと思いきや、ちょっと意外な内容でした。 スクール・オブ・ネイチャー(自然の学校)、略…
電動夏子安置システムの公演期間中のひとコマを使って、劇団の中心的な女優渡辺美弥子のひとり芝居をやとうという企画。入場料100円という心意気も嬉しい。日程も値段も観る側には好都合だけれど、本公演中の本人はしんどいだろうなぁ。わたくし的には、…
わたしが芝居を観始めたのが80年代後半だから、川村毅率いる第三エロチカ全盛の時代には間に合っている筈だが、残念ながら舞台に接したかどうかの記憶はちょっと曖昧だ。しかし、劇団の看板のひとりで、あちこちからお声がかかっていた深浦加奈子をよその…
5月のオーストラリア・ツアーを目前にしてのリキッド2デイズ。両日とも行きたいところだが、初日のチケットを確保するのがやっと。当日、リキッド前には、怪しいダフ屋がちらほらして、「ゆらゆら、あるよ。」だって。困ったもんだ。 最初のチューニングで…
昨年〝100回泣くこと〟(2005年・小学館)で大きくブレイクした感のある中村航。出発点の文藝賞受賞作〝リレキショ〟(2002年・河出書房新社)も悪くなかったけど、男性作家6人による恋愛小説アンソロジー〝I love you〟(2005年・祥伝社)に収められた〝…
劇団が拠点を大阪から東京に移しての第二弾。昨年の〝猿の惑星は地球〟以降、役者たちがあちこちに客演しているのを見かけ、その達者な芝居ぶりに舌を巻いてきたこともあって、期待が大きく膨らむ新作である。 ボールペンの万引を見つかったエーコ(奥田ワレ…
劇団のホームページで過去の公演記録を見ると、97年の旗揚げからしばらくは岐阜や愛知の方面で活躍していたらしい。2003年あたりを境に、東京の劇場へと進出してきたようで、わたしは前回の〝佐々木の船〟(@シアター・モリエール)に続き、今回が二度目の…
猫のホテルが誇る8人の男優陣が、その役者としての力量を見せつける再々演。(ちなみに、初演は97年のこまばアゴラ劇場、次は2000年のザ・スズナリだった)いつの時代にも、苦労ばっかりする損な役回りの男っているよね、という話を8編のオムニバス…
巷では、ほぼ毛皮族と言われていたプロデュース公演、なるほど納得です。江本純子が、ほぼやりたい放題をやって、賑やかな舞台になった。もちろん、ギリシャ悲劇に材をとったジャック・オッフェンバック作オペレッタの翻案なのだが、その移し変えぶりが放埓…
大人の麦茶は、早稲田大学演劇倶楽部出身の役者池田稔と北原幸久が、大学内の映画サークル浪人街にいた塩田泰造(作・演出)と結成した劇団。わたしは初見だが、今回の〝外は白い春の雲〟は、2004年5月に上演した〝パーティあけ〟の大幅改訂リメイクとのこと…
神様プロデュースの〝TES.〟は、〝まず私たちが死なずに またこうして出会えたこと そのことに驚嘆するところから 始めたいと思います〟という印象的な一節から始まる。冒頭は、葬儀の場面。大学時代の共通の友人、宮前が死に、仲間達5人が集まっている…
2001年夏に公開されたGS映画の怪作〝東京ハレンチ天国・さよならのブルース〟の主演者とスタッフが結成したザ・パロッツのファースト・ミニ。(リリースは2007年7月)〝東京ハレンチ天国〟は、インディーズ映画の素人臭さと馬鹿さ加減はあるものの、GS映…
危婦人は、文化女子大学のOBたちが98年に結成した劇団で、わたしは初見。今回の演目は、昨年5月に上演した「大部屋女優 浜子」の番外編にあたるもので、第一話をチャリT企画の楢原が、第二話を少年社中の毛利が、第三話がホチキスの米山が脚本・演出を担…
93年旗揚げ、95年ザ・スズナリ進出という実績を誇る風琴工房。個人的なことだが、印象に残っているのは、主宰の詩森ロバのコメントにあった、演劇は観客との間に濃密なコミュニケーションを要求する、という一節。今回の〝紅の舞う丘〟は、わずか六人で起業…
裏の人間性を嬉々として描く下西啓正率いる乞局は、毎回、その演目のネーミングや当て字に、どことなく不穏な空気がたちこめているのも特徴のひとつ。今回の〝媚励(びれ)〟からも、ほらね、やはり嫌な予感が漂ってくる。 ややレトロだけれども、どことなく…
キャスティングの魅力、そして何よりブルースカイが久々の作、演出という売り文句に引き寄せられた。実は、ブルースカイが率い、池谷のぶえを擁してした(演劇弁当)猫ニャーは、惜しまれつつ2004年に解散しているが、不覚にもわたしはその舞台を一度も観て…
88年VIVID SOUNDからリリースされた女の子3人組のファースト。クラブ・シーンでは定番だったとか、アナログ盤は超レアアイテムだったという噂は聞いたことがある。限定再結成されて、サリー・ソウル・シチューの〝宇宙にランデヴー〟のために〝トンネル天国…
サブカル方面では一部にアイドル的なもてはやされ方をしている佐藤友哉は、2001年に〝フリッカーズ〟でメフィスト賞受賞という出自もあって、ミステリ・ファンとしてもちょいと気になる存在だ。そのナルシズムと線の細さは、ややもすると読者にそっぽを向か…
さあて新年度。今年度は、こまばアゴラ劇場と王子小劇場の支援会員になったので、両劇場に足を運ぶ回数は増えるものと思われます。今月も、コマ数不足のラインナップです。どうなりますか。 ・紅の舞う丘(風琴工房)@下北沢ザ・スズナリ 4月4日〜4月11日 …