(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

2006-01-01から1年間の記事一覧

〝俺の屍を越えていけ〟王子小劇場プロデュース  

北の劇作家畑澤聖悟(渡辺源四郎商店、ex弘前劇場)の代表作といわれる作品を、時間堂の黒澤世莉が演出、出演は小劇場の曲者役者たちという企画である。王子小劇場は、この〝俺の屍(かばね)を越えていけ〟のプロデュースを皮切りに、畑澤聖悟の作品を3作…

〝虹〟グリング第13回公演 10th Anniversary

青木豪の主宰するグリングだが、今年は文学座に〝エスペラント〜教師たちの修学旅行〟を書き下ろし、シス・カンパニーの〝獏のゆりかご〟では作・演出と、青木の外部活動が忙しかったせいか、前回の〝海賊〟からはほぼ一年ぶりの公演となる。1997年の旗揚げ…

〝嘘かもしれないけど、オリジナル〟Hula-Hooper第7回公演

菊川朝子は、昨年だったか〝ニセS高原から〟の五反田団バージョンでチラリと見かけて以来、気になる存在としてマークしている。その時は、確か病み上がりで、舞台ではただ出てるだけという感じだったが、なにか不思議な存在感をおぼえたのだ。Hula-Hooperは…

ノーチェ・デ・シブヤ〜ザ50回転ズ@渋谷屋根裏

ザ50回転ズのレコ発(〝1・2・3・4!!〟)ライブ。 出演は、以下のとおり。(登場順) 田渕純 ザ・サイクロンズ(from京都) 夜のストレンジャーズ ザ50回転ズ(from大阪) わたしのお目当ては、ザ・サイクロンズでした。 4アーティストの長丁場ということもあっ…

〝ナイス・エイジ〟NYLON100℃29TH SESSION

ケラ曰く、娯楽作という意味では最もまとまりがいい作品だと思う。このコメントは、なんとも微妙ですね。芸術点ではあまりいい点を付けたくない、という風にも聞こえる。初演は2000年本多劇場で、今回の劇場ロビーでそのDVDを発売していたのを見つけて購…

〝ナイス・エイジ〟NYLON100℃(DVD)

2000年初演時のDVD。今回の再演が良かったので、ついふらふらと購入。特典映像とかとの抱き合わせで、6000円を越える買い物だと敬遠したくなるが、今回は4000円だったのでなんとか。〝消失〟や〝フローズン・ビーチ〟も反芻したいのでぜひ廉…

〝ロープ〟野田地図(NODA・MAP)第12回公演

野田秀樹約3年ぶりの新作だそうだ。3年前っていうと、前作は「オイル」だったか。でも、今年は、ソーホー劇場の英語劇「The Bee」があったぞ。それはさておき、その新作「ロープ」は、いくつかの意味が重ねられているかもしれないが、タイトルはプロレスの…

〝上田一家物語〟劇団上田

劇団上田は、2000年に作・演出家の地獄谷三番地と座長の江戸川卍丸を中心に結成された。先日の乞局の公演に、中心メンバーの地獄谷三番地が客演してるのを見かけたりして、じわじわ気になりはじめた。しかし、舞台の上の役者たちが、ちらしそのままで白Yシャ…

〝洗濯鬼逃げた〟くねくねし第6回公演

くねくねしは、明治大学の「騒動舎」のメンバーを中心として90年に結成された劇団で、当初は「劇団ノリのいい会社」を名乗り、その後「悪運ダイヤ」と改名、2年ほど前に、さらに心機一転、今の劇団名になった。現劇団名の〝くねくねし〟には、古語で「ひ…

〝クローバー:冬〟ククルカンproject#001

前にも書いたが、月島のTEMPORARY CONTEMPORARY というのは、倉庫を改造したと思しきただのコンクリート打ちっぱなしのスペースだけれども、上演を重ねると、どこかシリーズの趣きをも醸しだす味のある会場でもある。といっても、ククルカンが今年1年を通し…

〝恋人たち〟ブラジル

ブラジルは、双数姉妹、東京オレンジを経たブラジリィー・アン山田(作・演出)が、役者の辰巳智秋、制作の恒川稔英らとチームを組むユニット。わたしは、前回公演で〝ダイアナ〟と〝疚しい理由〟という短篇は観ている(どちらも良かったが、特に〝疚しい理…

〝夕景殺伐メロウ〟デス電所第15回公演

〝夕景殺伐メロウ〟という三題話のお題のようなタイトルが付けられたデス電所の新作である。デス電所は、1999年に作・演出の竹内佑を中心に近畿大学の同窓生たちが結成した劇団で、2002年あたりから東京公演も行っている。去年も〝音速漂流歌劇団〟が駅前劇…

セーラー服と機関銃(相米慎二監督/1981年)

【メモ】 まさか21世紀になって復活するとは思わなかった赤川次郎原作作品。当初、主婦と生活社から出た原作(1978年刊)をもとに、すでに〝台風クラブ〟などで評価の高かった故相米慎二がメガホンをとった。主演は、人気の絶頂期にあった薬師丸ひろ子で、…

〝キケンなニオイはしてたよね〟マナマナ

マナマナは、宮本勝行と西田薫のユニット名で、今回の〝キケンなニオイはしてたよね〟はその第1回目の公演にあたる。宮本は僕らの調査局からにんじんボーン、西田はショーマでの活躍が懐かしい。この世界では息の長い活躍を続けている二人だ。 除夜の鐘の人…

北村昌士追悼〝TRANS RECORDS FINAL PRESENTS〟@新大久保EARTHDOM

生前の北村昌士をステージの上に見たのはたった一度で、渋谷パルコ(だったと思う)の〝ポスト・モダンミュージックへの序章〟というイベントだった。同じタイトルのアルバムをリリースしたばかりのフォノジェニックスのボーカルとして名曲〝Lady of Fate〟…

〝幸せのタネ〟らくだ工務店第12回公演

らくだ工務店は1999年の旗揚げで、今回の〝幸せのタネ〟が第12回目の公演となる。そのどこかほのぼのとした劇団のネーミングに惹かれて、観てみることに。 家庭教師の男(濱田龍司)が、聾唖者の妹(江幡朋子)と妻(吉田麻紀子)の三人で暮らす家庭の…

〝ボボボーボ・坊ちゃん〟石原正一ショー

西の方角からの風聞を耳にするたびに、関西の劇団にも大いに興味をそそられるわたしであるが、ここのところいざ観てみると、どうも波長が合わない場合が多い。期待して臨んだ売込隊ビームの〝よせばいいのに〟も、ヨーロッパ企画の〝ブルーバーズ・ブリーダ…

〝恋の渦〟ポツドールVOL.15

「恋の渦」と聞いて、岸田賞をとった「愛の渦」の姉妹編だろうか、という思いがよぎるものの、実は「愛の渦」は観ていない。それはともかく、ポツドールは今年、春先に「夢の城」というアナーキーな作品を上演し、そのあと初夏には6月には女性のスタッフだ…

〝シュナイダー〟elePHANTMoon

クリエイティブチームを名乗るelePHANTMoonだが、今回の舞台を観る限りは普通の劇団や演劇ユニットによるものと殆ど違いはない。あらむしという劇団が前身にあったようだが、詳しいことは判らない。現在の名前になってからは、今回の〝シュナイダー〟が3回…

〝物々交換〟北京蝶々第7回公演

バタフライ効果からその名をとった北京蝶々は、早稲田大学演劇研究会の現役アンサンブルで、2003年に旗揚げしている。劇研の先輩にあたる双数姉妹の舞台に、帯金ゆかりというやたら元気な女の子が客演しているのを見かけて、しりとり式に彼女の所属劇団も観…

〝カオス〟トニー・ギグリオ監督(2005年・アメリカ)

ガイ・リッチーの〝ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ〟に出ていたジェイスン・ステイサム主演の犯罪映画と聞けば、気になって当然というところ。主人公は、休職中の刑事コナーズ(ジェイスン・ステイサム)である。人質をとって逃走した犯…

ムーンライダーズ@C.C.Lemonホール(渋谷公会堂)

そうか、渋谷公会堂は、ネーミングライツの譲渡でC.C.Lemonホールに暫定改名(5年だとか)したのだったなと、ホールの前に立って思い出した。椅子も新しくなったし、悪いことじゃない。 さて、ムーンライダーズの30周年イヤーのファイナル・イベント、3…

〝イヌの日〟阿佐ヶ谷スパイダース

阿佐ヶ谷スパイダースは、個人的には今回の〝イヌの日〟が3度目で、長塚圭史が作・演出したパルコ劇場の〝LAST SHOW〟を入れても4度。〝悪魔の唄〟はなるほどそれなりに面白かったが、〝LAST SHOW〟は風間杜夫がいてこそという気がしたし、〝桜飛沫〟にい…

〝ピンク〟ハラホロシャングリラ

ハラホロシャングリラは、パノラマ歓喜団のプロデュース公演がきっかけとなってユニットからスタートした劇団で、旗揚げが89年というのだからかなりの古顔だ。売れっ子の放送作家中野俊成が主宰し、彼の書き下ろすコントを上演し続けている。わたしは初見で…

〝あなたがここにいてほしい〟散歩道楽

〝あなたがここにいてほしい〟というタイトルは偶然かと思ったが、舞台となるレストランの名前が〝ウマグマ〟(従業員の制服にそうある)とあるのを見つけて、やっぱりPINK FLOYDからの引用か、と確信した。*1いまもプログレにどっぷりと嵌っているわたしは…

〝SPEEDBOY!〟のパラレルな世界

もしかしたら。いや、もしかしなくても、2004年10月の短篇集〝みんな元気。〟以来2年ぶりの舞城王太郎の新刊である。この〝SPEEDBOY!〟は、群像2006年1月号に掲載された作品に修正、加筆したもののようで、講談社の新叢書「講談社BOX」の第一回配本の中の…

〝吉田鳥夫の未来〟無機王第10回公演

無機王の「吉田鳥夫の未来」に、どことなくたちこめる昭和の匂いを感じた。日本家屋のお茶の間、庭を見渡せるガラス戸、旧式のTVなどとともに、家族の絆という根源的な人間関係すらも、今や遠い過去のものになってしまったのかもしれない。しかし、期せず…

〝食〟メタリック農家

ネタバレを見てしまうリスクはあるけれど、インターネット上の劇評には重宝することも少なくない。メタリック農家の〝食〟についても、初日の劇評で仕入れた低い位置での芝居が多いという前知識があったお蔭で、いい座席を選ぶことができた。しかし、芝居の…

補遺・サディスティックス

・10月27日にサディスティック・ミカ・バンドにまつわる個人的なメモを記したけど、関連事項としてサディスティックスのことをほんの少し。 ・1975年に解散したサディスティック・ミカ・バンド(国内でのラストライブは、おそらく1975年9月21日の神田共立講…

〝vocalise(ヴォカリーズ)〟リュカ第10回公演

アゴタ・クリストフの小説『悪童日記』の主人公の名から劇団名をとったというのがなんとも興味深いリュカ(Lucas [lyka])。なぜに、あの三部作?と思わずつっこみを入れてみたくなるが、それはさておき。1996年1月に、上智大学演劇研究会(Suite)のメンバー…