(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

2008-01-01から1年間の記事一覧

「八月のバス停の悪魔」ミナモザvol.9

ミナモザは、瀬戸山美咲の作・演出を支えるユニットとして、ほぼ年1のペースで活動を続けている。旗揚げは2001年で、過去8回の公演を行っている。 戦争も末期にさしかかった東京近郊の田舎町。東京では大空襲があって、大きな被害が出たという話が噂で伝わ…

「ボクコネ〜ボクはテクノカットよりコネチカット〜」タカハ劇団納涼番外公演

学外初進出となった春の王子小劇場で、大向こう(?)を唸らせた早稲田出身のタカハ劇団。それから間を措かず、お次はなんと駅前劇場進出だが、今回はまぁやや控えめに番外公演と銘打って、2005年の旗揚げの作品をリニューアルしての再演のようだ。 ちょっと…

「生憎」劇26.25団第7回公演

異常なものはまったく載ってないのに、どことなく不気味さ漂うチラシ(失礼!)がやけに印象的な劇26.25団。HPによれば、読み方はゲキニジュウロクテンニーゴーダンで、2004年11月旗揚げだそう。 幕開きは、舞台狭しと繰り広げられる縄跳び。ひかげ村…

「ウ−マン・イン・ブラックThe Woman in Black -黒い服の女-」

本邦の初演(92年)と再演(93年)は斎藤晴彦&萩原流行、再々演(96年)は斎藤晴彦&西島秀俊、さらに斎藤晴彦&上川隆也になって99年、2003年と上演されて、今回が6回目の「ウーマン・イン・ブラック」。本国のイギリスでは1987年初演、1989年6月にウエス…

「女教師は二度抱かれた」シアターコクーン・オン・レパートリー2008

市川染五郎を主役に仕立て、その相方は大竹しのぶという豪華組み合わせによる松尾スズキの新作。もちろん、脇を固める役者たちは、お馴染み大人計画系のツワモノたち。さらに強力な助っ人、浅野和之。2000年初演の「キレイ」の系譜に列する音楽劇である。 演…

「ローションパック」♂本番ナシ♀001

役者として名うての男女が集まる課外活動的ユニットの旗揚げ公演。顔ぶれは、年齢順に最年長の根津茂尚(あひるなんちゃら)、三谷麻里子(ex.つめきり)、池田ヒロユキ(リュカ.)の3人で、二人芝居縛りで活動をしていく模様だ。 内容的には、1本20分程…

「僕らの声の届かない場所」空想組曲vol.4

ほぼ1年ぶりとなる空想組曲=ほさかよう。前回(小さなお茶会。@王子小劇場)同様に、多彩な客演を招いての新作である。 飄々としたキャラでどこか浮世離れしたオーナー(中田顕史郎)が経営する小さなアトリエ。伸び盛りの画家たちが集まり、それぞれが熱…

「ピース ―短編集のような……」グリング

あちこちの公演の作や演出にその名前を見かけることの多くなってきた青木豪。新作のタイトルは、ピース=peace(平和)=piece(断片)。よそへの提供脚本に、いくつかの新作書き下ろしを追加した、短編集のような、オムニバス長編のような作品。 物語の組成…

「血が出て幸せ」クロムモリブデン

2年前に大阪から東京に拠点を移して4作目となるクロムモリブデン。わたしはファーストコンタクトだった「猿の惑星は地球」で愕然、次の「マトリョーシカ地獄」で呆然、とどうしても物語の展開についていけないところがあったけど、前回の「スチューワーデ…

「サナギネ―幼年期の終わりに―」双数姉妹

双数姉妹がまだ早稲田劇研の圏内にあった1994年初演の劇団としての代表作と言われている作品。その頃はお芝居から離れていた時期で、わたしは今回が初見。一度2001年にも再演されているので、今回は再々演となる。(初演、再演ともに、@青山円形劇場) 円形…

「死に際バカンス」劇団桃色バカンス第二回公演

女もつらいよ的に、若い女性の生き方をシニカルに描く桃色バカンスの第二回公演。わたしは、前回公演の好感度もあるけど、神様プロデュースの鈴木華菜がお目当てで。そういえば、主宰の増山千花は神様プロデュースの演出助手やってた人ですよね。 クラブのコ…

Rick Wakeman(2nd stage)@Billboard東京

(セットリスト) Canon and Gigue in D Major(opening) Catherine Howard Morning Has Broken And You And I 〜 Wonderous Stories The Dance Of A Thousand Lights Jane Seymour The Meeting Arthur Catherine of Aragon Help! 〜 Eleanor Rigby ・アンコール…

「アルケミスト」少年社中 第20回公演

早稲田の劇研から出た少年社中の10周年記念公演第2弾。劇団HPによれば、この「アルケミスト」は10年前の記念すべき第一回公演@大隈講堂裏劇研アトリエの作品で、今回はその再演とのこと。 サンチャゴ(堀池直毅)は旅に憧れていた少年時代の夢を実現さ…

「審判員は来なかった」ペンギンプルペイルパイルズ#13

倉持裕としては5月のM&O Plays プロデュースの「まどろみ」@あうるすぽっと、PPPPとしては去年10月の「ゆらめき」@吉祥寺シアター以来となる新作。今回は、ややスケールを大きくして、テーマは国家。 パリエロは、色々な経緯があってマリムという大…

「まほろば」シリーズ・同時代Vol.3

シリーズ・同時代もいよいよクライマックス。三番手はモダンスイマーズの座付き、蓬莱竜太の登場である。今回の三選手の中では、商業演劇のキャリアからいっても、もっともこの舞台に相応しい作家といっていいかもしれない。 村祭りの晩、男衆たちは神輿を担…

「SISTERS」パルコ・プロデュース

春の阿佐ヶ谷スパイダースの公演@ベニサンピットでは、エドワード・オールビイをも彷彿とさせる不条理劇で観客を煙に巻いた長塚圭史の新作にして、渡英前の置き土産的な作品。パルコ劇場での作・演出は、「ラストショウ」以来3年ぶりとなる。 朽ち果てる日…

「みみ」東京ネジ第10回公演

テーマ、スタイルともに、一作ごとの意欲的な取り組みが楽しみな東京ネジ。さまざまな冒険をしても、クオリティで観客を裏切らないところが贔屓の理由で、個人的に新作が楽しみな劇団のひとつだ。 耳かきを生業としている女性みみみ(佐々木なふみ)。彼女の…

「五右衛門ロック」劇団☆新感線二○○八夏興行 SHINKANSEN☆RX

「SHINKANSEN☆」に続くアルファベットのクレジットがちょいややこしいが、公演ごとに異なるこの区分が実は重要。RXは音楽劇(ミュージカル仕立て)の区分と思しい。SHINKANSEN☆RXとしては4年ぶり、つまりあの傑作「SHIROH」以来ということだ。 天下の大泥棒…

「Kiss me, deadly」smartball

名執健太郎のプロデュースユニットsmartballは、2006年「My Legendary Girlfriend」@王子小劇場で旗揚げ、翌年に「The Perfect Drug」@三鷹市芸術文化センター星のホール、そして今年王子小劇場に戻ってこの「Kiss me, deadly」と都合3作を上演したが、今…

「華燭」三鷹市芸術文化センター+高井浩子(東京タンバリン)presents

毎年6月の桜桃忌にちなむ三鷹の〈太宰治作品をモチーフにした演劇〉も、今年で5回目。去年はポツドールだったが、今年は東京タンバリンの高井浩子を招いて、戦後間もない東京を舞台に4人の芸術家たちの姿を描いていく。 画家や作家、文学志望の青年ら4人…

「表と裏と、その向こう」イキウメ

前々回公演(2007年9月・青山円形劇場)の再演でも、やはり素晴らしい舞台を見せてくれたイキウメの「散歩する侵略者」だけれど、この里程標的ともいうべき作品は、前川知大にとって功罪相半ばするものになりつつあるのではないか。というのも、ここ1年だけ…

「ローゼ・ベルント」燐光群+グッドフェローズプロデュース

せんがわ劇場は調布市の市民劇場で、個人的には自宅から自転車でちょちょいっと出かけられる半径にある劇場のひとつで、柿落としに掛かった永井愛の「時の物置」の記憶もまだ新しい。「ローゼ・ベルント」という戯曲も、ハウプトマンという作者も、不勉強の…

「眠れない夜なんてない」青年団第56回公演

吉祥寺シアターにて青年団久々の新作。老後の生活をマレーシアで送る日本人のための定住型リゾートマンションを舞台に、そこで暮らす日本人たちのそれぞれの事情と人間模様を描く。 退職リタイア組がいたり、仕事の赴任先がこの地という現役組がいたりと、居…

「混じりあうこと、消えること」シリーズ・同時代Vol.2

新進の劇作家と世代の異なる演出家がコンビを組むシリーズ・同時代のパート2は、「生きてるものはいないのか」で本年岸田戯曲賞に輝く前田司郎が登場。 夜の公園。ひとりの中年男(國村隼)がふらりとやってくる。葬式の帰りだろうか、喪服姿で、どことなく…

「その夏、13月」チェリ−ブロッサムハイスクール PLAY_4

2005年旗揚げ、小栗剛(作)、柴田雄平(演出)は高校時代の仲間らしいが、劇団結成は卒業から10年後のことだったようだ。最初の公演は、翌年の2006年に行われたとHPには記されている。最近、ちらしや劇評が目につくようになったが、わたしは味わい堂々の…

「俺を縛れ!」柿喰う客第13回公演

公演インターバルの短さが、劇団の上り坂を物語っていて、今まさに見逃せない柿喰う客。フランス遠征にお付き合いできなかったのはやむなしとしても、4月の凱旋公演を仕事のせいで見逃したのは残念。さて、新作は佐藤佐吉演劇祭の皮切りとなるロングラン公演…

「夕-ゆう-」東京セレソンデラックス2008夏

ベタで甘口のセレソンDX。いや、こう書くと悪口のようにも聞こえるだろうが、そのロマンチシズムのディープさは半端じゃない。ほら、ときどき無性に甘いものが食べたくなるときってあるでしょ?そんな感じで、わたしの心は、時にこのセレソンDXを欲するわ…

「Root Beers」KAKUTA 漢祭り2008 in U.S.A.

漢(おとこ)祭りと銘打たれているので、夏にオール男優はちょっと暑苦しいな、と思ってたところ、幸いにして違いました。桑原裕子以下、看板の女優陣も賑やかに加わっての、2004年上演作の再演。 ロサンジェルスの下町にある、ちょっとあやしいモーテルの一…

「ネムレナイト2008」大人の麦茶 第15杯目

人気のレパートリーのようで、今回が再々々演とのこと。(ちなみに初演は1999年だから10年前のことだ)お馴染みのアイドルの出演もあって、紀伊國屋ホールは連日大入り、前売りだけでソールドアウトの日もあったらしい。 お寺の本堂に現れては、歌を歌ったり…

「I do I want」空間ゼリーvol.10

空間ゼリーを観るようになったのは、昨年3月の「ゼリーな空間」からだから、まだ1年ちょっと、公演にして4回目だ。高校を舞台にした「ゼリーな空間」の高校生のビビッドな感覚に驚いたけど、世代的な近さに助けられてのことだろうと思ってました。しかし…