(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

2008-01-01から1年間の記事一覧

「いさかい」tpt68

この劇場ももうすぐなくなってしまうのですね、ベニサン・ピット。何度行っても迷ってしまう住宅街のど真ん中というロケーションだったけど、アンダーグラウンドな劇場空間の雰囲気には独特のものがありました。 男はみな浮気者と言い放つ恋人エルミアンヌ(…

「幸せ最高ありがとうマジで!」PARCO presents

パルコカードの申し込みを却下されたことがある、と自ら告白する仮ちらしが笑えた本谷有希子のパルコ劇場初進出作。クレジットカードの審査は、カタギじゃない人間に冷たいからなぁ。時の人本谷有希子が、劇団名義ではないけど、女優業においてただいま上り…

「Refresh!」ガバメント・オブ・ドッグス コントライブ

HPによれば、GODことガバメント・オブ・ドッグス(GOVERNMENT OF DOGS)は、MONOの土田英生や水沼健を中心に、ラジオやイベント等の構成をやっていた故林広志を作家として迎え、1992年にスタートしたコント集団。97年頃まで京都、大阪で定期的なライブを中心…

[ライブ]THE ZUTONS@渋谷O-EAST

The Zutons(ズートンズ)は、リバプール出身のロックバンドで、個人的な好みからいうとソウル、ファンク系が入っていることから守備範囲外と思いきや、60年代ポップスに対する強いリスペクトが感じられるサウンドは大いに気になるバンドだ。2004年のメジャ…

「どんとゆけ」渡辺源四郎商店第8回公演

あれよあれよという間に目前まで迫った裁判員制度。この制度が、わが国の司法のしくみとして前進になるかどうかは判らんけど、さらにそのもう一歩先を先取りするような渡辺源四郎商店の新作。 津軽地方の田舎町。主婦のしの(工藤由佳子)は、ふたりの来客を…

「難民X」tsumazuki no ishi

このお芝居を観て、神戸大震災は遠くなりにけり、などと感慨にふけった矢先の兵庫県知事の「東京に地震が来ればチャンス到来」発言。公人として、というか人間としてあるまじき物言いだよね、ありゃ。怒るのは、おそらく東京の人間じゃない。神戸で被災の経…

「ニューデリーの恋人たち」sunday play#2

1993年に神戸大学自由劇場OBによって旗揚げされた劇団☆世界一団だが、2004年に第一期を終了し、劇団としてはいったん幕を降ろした。というのは彼らのホームページからの情報だ。観劇から遠ざかっていた時期でもあり、その頃の彼らをまったく知らないわたしは…

「YAMANOTE ROMEO and JULIET」山の手事情社

どこの劇場というのではなく、山の手事情社の公演会場には、不思議な緊張感がある。いや、開演前の緊張感は、どの劇場、どの劇団にもあるだろうが、その一種独特な静謐さは、彼らならではのものといっていい。まるで、無音の音楽が流れているような。これが…

「ニッポニア・ファンタジア」バジリコFバジオ

今年で9回目という小劇場系の次世代育成事業ともいうべき MITAKA “Next” Selection だが、今回の二番手として登場したのはバジリコFバジオ。去年の「AC/DC WORLD'S END SCHOOL GIRL!!!!!!」@中野ウェストエンドスタジオでブレイクを確信したわたしにとっ…

「JANIS -Love is like a Ball and Chain」DULL-COLORED POP#7

この公演のアナウンスがあってから、頭の中では「Me and Bobby McGee」が鳴りっぱなし状態。日本で流行ったジャニス・ジョプリンの曲って「Move Over(ジャニスの祈り)」もあったけど、一番はこれじゃなかったか。ま、わたしの勝手な思い込みかもしれぬが。…

「STAR MAN」KAKUTA OTOKOMATSURI / 青山演劇LABO#001

「スターマン」は、言わずと知れたデビッド・ボウイがデビュー間もない70年代前半にヒットさせた曲の名。そのほぼ10年後にジョー・カーペンターが同題の映画を撮ってて、今ちょっと確認はできないけど、確かボウイの曲にインスパイアされたんじゃなかったっ…

「そまりえ〜或る模倣画家の苦悩〜」黒色綺譚カナリア派第九回公演

江戸川乱歩の時代に直結するレトロな昭和テイスト、ほのかなアングラの匂い。そんな空気をまといながらも、モダンでシャープな舞台を作り上げる黒色綺譚カナリア派は、気がついてみれば個人的に見逃せない劇団のひとつになっていて。 あけび(芝原弘)は、画…

「動転」コマツ企画第9回公演

こまつみちる、本井博之、浦井大輔、川島潤哉という異能の一団コマツ企画の新作。バックステージもので、ちょっと大げさに言えば、議論を呼び起こすこと必至の型破りで掟破りの野心作である。 零細の印刷工場を経営する父親とその一家。しかし、不景気で家業…

「暴れて嫌になる夜の連続」毛皮族

毛皮族の魅力はレビュー的な面白さに尽きる、というのが最近の彼女らを観ていての率直な印象だ。唯一「天国と地獄」は演劇的な面白さもふんだんに盛り込まれていたが、あれは劇団の独力だけでなく、別の力も加わっていたのだろう。しかし、主宰の江本純子に…

「いそうろう」4×1h project Play#0

さて、後半。観客投票で見事1位を獲得した「いそうろう」は、快快の篠田千明の作。先に冨士山アネット主催のイベント「EKKKYO!」では、快快が大道寺梨乃と山崎こーじ(皓司)というキャストで、すでにリメイクver.を上演している。 猫を飼うように、ぷーのイ…

「ひとさまにみせるもんじゃない」4×1h project Play#0

HPからの引用になるが、時間堂とelePHANTMoonが共催する4×1h projectは、出演者が4人くらい、場所を選ばず上演可能、質の高い1時間くらいの短編という三つの条件にかなう作品を上演する試みらしい。20代バリバリの若手作家の戯曲をとりあげ、クオリティ高い…

「シャープさんフラットさん(ホワイトチーム)」NYLON100℃ 32th session 15 years anniversary

主に両バージョンの違いについて、大まかにだがメモしておきたい。結論からいうと、ブラックとホワイトの違いは意外なほど少ない(と思う)。意外とわざわざ言ったのは、事前のアナウンスが両バージョンの違いを結構強調していたように思えたからで、観た人…

「續・河をわたる」菅間馬鈴薯堂第22回公演

ここのところ王子小劇場の良心といった存在でもある菅間馬鈴薯堂(すがまぽてとどう)は、早稲田小劇場にいた菅間勇が率いるカンパニーで、1994年の旗揚げ。 勝鬨橋に近い隅田川河川敷に、ホームレスたちが流れてきて、ごく小さな集落を構え、暮らしている。…

「全身ちぎれ節」ピチチ5第五回公演

40歳以上の観客に配慮した大人割引、そして今回は三鷹というちょっと辺境な劇場所在地を考慮しての入場料設定と、何から何まで泣かせるピチチ5(クインテット)である。いや、何よりも、いつもその中身でちょっぴり泣かせてくれるピチチなのだ。 辞める辞め…

「世界の博覧会」サモ・アリナンズPRODUCE 劇団ワンダフルズ第3回目公演

今年から冬眠に入ったサモ・アリナンズだが、プロデュース公演のこちらは継続するようで、1年半ぶりの劇団ワンダフル。2004年に駅前劇場限定でスタートしたワンダフルも3回目。今回の座長は、浅野セメントこと浅野和之。チケット争奪戦をかいくぐって、な…

「シャープさんフラットさん(ブラックチーム)」NYLON100℃ 32th session 15 years anniversary

昭和者にとって「シャープさんフラットさん」といえば、その昔、NHK総合テレビで放送されていた音楽クイズ番組のことである。さっきWikipediaで調べてみたら、昭和37年4月6日から昭和45年3月30日にかけて放映されたとある。うーん、かなりの長寿番組だったの…

「トカゲを釣る-改-」スロウライダー第11回公演

わたくし的な好みから言うと、文句なしにど真ん中の(筈の)スロウライダー。しかしながら、ここのところ、三鷹芸術文化センターの広い空間に呑みこまれてしまった「アダム・スキー Adam:ski」、乗りのきっかけを掴めず最後の最後まで置き去りにされてしまっ…

「アジミちゃん」味わい堂々お味見公演 その一

チャーミングな女子3人組だからといって、眼鏡を曇らせてはいけない(自戒。でも可愛い)味わい堂々。3人ともにそれぞれいい味があって、芸が達者。それに加えて、前回公演の「春を待つ」が、なかなか見事な作りでした。(和田アキ子の歌が流れるアニメの…

「EKKKYO-!]冨士山アネット produced

越境、すなわちボーダーレスをテーマに、冨士山アネットがキュレーターの役割を担う演劇、パフォーマンス、ダンスなどを集めたプロデュース公演。ちなみに、冨士山アネットは、一昨年だったかククルカンによる四季公演(クローバー:秋)に客演していた長谷…

「家族の肖像」サンプル03

そもそもが足許の危ういアトリエヘリコプターなので、事前の服装等のご注意メールが主宰者側から送られてきたときも、たかを括っていた。しかし、すごいですね、今回のこの会場の使い方。確かに、スカートはやめておいた方がいいかも。丁寧な誘導に導かれて…

「愛される覚えはない」劇団宝船第五回公演

高木珠里命のわたしとしては、宝船はぜったいに見逃せない劇団だ。彼女と座長の新井友香とで織り成す「赤裸々でビターな恋愛至上主義」には、観る者(つまりは、わたしだが)をしびれさせる不思議な中毒効果がある。 失恋したばかりのイサオ(山中崇)の耳に…

「ペガモ星人の襲来」G-up presents vol.6

小劇場系のスターをこれでもかと総動員しての公演。大王こと後藤ひろひとの旧作のようだが、ネット、フライヤーなどによれば、?1995年、当時「遊気舎」二代目座長だった後藤ひろひとが、関秀人主催の「立身出世劇場」に書き下ろした作品が十数年の時を経て、…

「MOTION & CONTROL」サスペンデッズ第五回公演

2005年から公演をうってたんですねぇ、サスペンデッズ。前回あたりから好意的な劇評が劇的に目につくようになって、未見のわたしはとりあえず新国立劇場の〈シリーズ・同時代〉の「鳥瞰図」(早船聡・作)に足を運んで、ビンゴ!というわけで、サスペンデッ…

「地獄のKiosk」スパンドレル/レンジ#4

スパンドレル/レンジは、(主宰者曰く)実践的かつ実験的な創作を目指して、2005年に旗揚げ。小劇場界の個性派として、その知名度を徐々に高めてきている。耳慣れない「スパンドレル」という言葉は建築用語であり、隣り合ったアーチ構造の間に出来る逆三角形…

「真説・多い日も安心」柿喰う客第14回公演

つかこうへい直系とでも言いたくなるようなマシンガンを思わせる台詞回しが強力な柿喰う客。ここのところ、上り坂を全力疾走で駆け上がる勢いで公演をうってきた彼らにとって、ひとつの到達点になるのではないかと個人的に決めつけている吉祥寺シアター進出…