(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

〝ピンク〟ハラホロシャングリラ

ハラホロシャングリラは、パノラマ歓喜団のプロデュース公演がきっかけとなってユニットからスタートした劇団で、旗揚げが89年というのだからかなりの古顔だ。売れっ子の放送作家中野俊成が主宰し、彼の書き下ろすコントを上演し続けている。わたしは初見で、予備知識をまったく入れず、カラフルなちらしだけで前売りチケットを買って会場に足を運んだ。
全体は6本のコントからなるオムニバス。それぞれのコントには手法や趣向の違いがあり、バラエティに富んでいる。普通の人の普通の日常をベースにした話が多いが、時に常識から逸脱していくエピソードもあって、脚本はそれなりによく出来ている。
しかしながら、その内容のぬるさには、耐え難いものがあった。例えるならば、お茶の間で眺めるTVのバラエティ番組だが、客席が沸く場面も結構あったので、これはひとえにわたしが観にいく芝居を誤ったという問題かもしれない。劇場に足を運ぶ意味、などと大上段に構えるつもりはないのだけれど、少なくともわたしにとっては、芝居を観ることのスリルとはまったく無縁のこの手のコンサバでフラットな娯楽にはまったく興味が湧かないのだった。(120分)

■データ
2006年11月18日ソワレ/新宿シアターサンモール
11・18〜11・23
脚本・演出/ 中野俊成
出演/滝裕次郎、山本佳希、いんげん、菊池洋、石黒亜実、河野景子、渡邊美智代、川田納梨子、白井勝雄、四方田祐輔、こんどうえみこ、井手規愛、松山ケメ子、林悦子、澤田よしみ、田村直子、渡邊巨樹、小林和未、加島愛、廣野未樹
照明/清水利恭(日高舞台照明) 音響/眞澤則子、照山未奈子 舞台美術/田中敏恵 舞台監督/坂野早織