(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

「未来ルルルルルルル」あひるなんちゃら

今年はやけに精力的で、すでに4公演目(これまでに、UFOcm(ユーフォーセンチメートル)、屋上のオフィス、毒と音楽)のあひるなんちゃら。黒岩と根津は、その間客演(MCRと乞局)でもなかなかいい仕事もしているが、さらに年末には新宿村の企画イベントにも参加が決まっているという過密スケジュールの中での新作公演。
コールドスリープで、一万年以上も未来に来てしまった男三人組(根津茂尚、川島潤哉、渡辺裕也)。てっきり、タイムマシンくらいは発明されているだろうというアテも外れて、困った三人。ひゅーと風が吹くようなお寒い荒野でようやく未来人と遭遇するが、どうも人間に見えるものの中には、サイボーグやマシン(車がコンピュータ)などが混ざっているようで、紛らわしくってしょうがない。そんな未来に、好むと好まざるとにかかわらず、翻弄されていく彼ら。
今回についていえば、やや後半に冴えがなく、いつになくすっきりしない印象。そもそもストーリーがないのが持ち味のひとつだが、シーンごとの切れ味はもっとある筈。脚本の熟成が足りないのかもしれないし、個人的には三人組の中である意味要の渡辺が、微妙に外しているようにも思えるのだが。(70分)

■データ
なにげに流れる劇団のテーマソングが可笑しいソワレ/王子小劇場
作・演出/関村俊介
出演/黒岩三佳、根津茂尚、林田麻里、中野架奈、異儀田夏葉(ヨシロォの夏は夢叶え冒険団)、川島潤哉(コマツ企画)、大室光来(ボーダビッチ)、小玉慶晴(ビッグアップル)、渡辺裕也(クロカミショウネン18)