(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

2007-01-01から1年間の記事一覧

「ミーコのSFハチャメチャ大作戦〜ベルンガ星人をやっつけろ!〜」猫田家(プレビュー公演)

tsumazuki no ishiの女優猫田直が、お気に入りのコネクションで芝居を上演する猫田家。スエヒロケイスケ作の「ニールトーキツ」の女性版を上演した(らしい)のが3年前(残念ながら未見)。今回は、岸田戯曲賞佃典彦の書き下ろし、ハイバイ岩井秀人の演出、…

「AC/DC WORLD’S END SCHOOL GIRL!!!!!!」バジリコFバジオ

ユニークな作中人形劇やちらしのアートワークが印象的な個性派バジリコFバジオ。前回公演しか観ていないのであまり偉そうなことはいえないのだけれど、個人的にはこの劇団のステップボードにもなりうると見受けた今回の新作。 ゴルゴタの丘から逃れたキリス…

「呪い」ジェットラグプロデュース

ここのところ、ユニークなプロデュース公演に力を入れるジェットラグが、2006年の「M−1グランプリ」優勝の漫才コンビ、チュートリアルの徳井義実の初戯曲をとりあげるプロデュース公演。演出、キャスティングも小劇場のお笑い系としては、なかなか豪華…

「恐れを知らぬ川上音二郎一座」東宝

日比谷にオープンした東宝の新劇場シアタークリエ(芸術座の跡)の杮落としの演目。川上音二郎は、文明開化の明治時代に活躍した芸人・役者で、実在の人物。実際に一座を率いアメリカ公演も行っており、オッペケペー節は今も知られている彼の十八番である。 …

「抜け穴の会議室」ケイファクトリー&パルコPRESENTS チーム申第2回公演

かつて大阪の惑星ピスタチオに籍を置いていた佐々木蔵之介も、NHKの連ドラをステップボードに全国区の人気者となって久しいが、その佐々木が劇作家に声をかけて舞台を作っていくために結成した演劇ユニットのチーム申(さる)。前回(2005年)は、モダンスイ…

ゆらゆら帝国 NEW ALBUM TOUR@横浜BLITS

先月10日の東京(新木場COAST)を皮切りに、その後、那覇、仙台、札幌と廻ってきて、再び関東に戻って横浜でのライブ。今回のツアーでは、ニューアルバムに収めた脱力系のナンバーをライブ向きに肉体化することが課題だったと思われるが、それはほぼ達成。…

「陰漏(かげろう)〈画廊版〉」乞局第13回公演

同じ演目を、日程を少しだけずらし、別の場所で公演するという面白い試み。(そもそも再演だが)通常の再演とも違い、先の公演の生々しさを残したまま、場所が変わってどう変化するのかに興味がつのる。演出側も、先行の劇場版とは別物という意識で画廊版に…

「つるつる」スクエアVol.22

スクエアは、1996年に上田一軒と森澤匡晴により結成。大阪を拠点に、東京でも公演を行っているが、わたしは役者の北村守が今年夏のデス電所公演に客演していたときの前説(東京公演でお客が入らなかったという悲惨な話)で、機会あれば観てみようという気に…

「うめたい〜ダメ、時々アイシテル〜」はぶ談戯Vol.11

はぶ談戯は、1999年に穂科エミを中心に結成された。わたしは、ククルカンの「クローバー秋」に客演していた春日和弘の所属劇団として、ユニークなその名を知る。今回が初見だが、カラオケ・ミュージカルらしい、という情報は風の噂で仕入れていた。 何度ダメ…

「生きてるものはいないのか」五反田団+演劇計画2007

演劇計画は、京都芸術センターの行っている演出家発掘・育成のためのプロジェクトで、その2007年版がこれ。五反田団の前田司郎がオーディションで集めた京都と東京の役者たちを使い、2年越しで作り上げた作品である。 大学とその付属病院が隣り合わせに立つ…

「ポエム」表現・さわやか 第4回公演

猫のホテルの役者にして、外部へは客演のほかに脚本提供なんかもやっている池田鉄洋。ドラマやCMなどテレビ出演の人気も上昇中の彼が作、演出する表現・さわやかは、2004年、猫ホ内のユニットとしてスタートし、年1回のペースで公演してきている。 高校の…

「キリエ・カルテット」兎町十三番地04公演

兎町十三番地は、大阪芸大の学生とOBで2005年3月に旗揚げ。劇団名にもなっている架空の町「兎町十三番地」をキーワードとした、地元大阪での過去3度の公演はなかなかの評判をとったようで、今回はめでたく東京へも進出の運びとなったようだ。 コハル、ナツキ、…

「砂漠の音階」風琴工房code.25

二本立ての小公演を挟んで、春以来となる風琴工房。「砂漠の音階」は、昨年の春にスズナリで上演した作品の再演で、実在の物理学者、中谷宇吉郎にまつわる物語である。北海道帝國大学の教授だった彼が、世界で初めて人工雪をつくり出した戦前のエピソードに取…

「東京ハニロボ」あなピグモ捕獲団vol.26(2007AUTUMN)

大学ノートかレポート用紙に手書きで律儀に書き綴った主催者のご挨拶が、第三舞台の鴻上のそれを思い出させるあなピグモ捕獲団。時として80年代の人気劇団を彷彿とさせる彼らの新作は、結成10周年の記念作品でもあるようで。 東京タワーを目指して上京してき…

「道成寺」山の手事情社

YAMANOTE NIPPONと銘打たれたシリーズ上演3演目の2作目。実は、山の手を観るのは18年ぶりのことで、最後は確かサンシャイン劇場屋上の吹きっさらしで、ぴゅーぴゅー冷たい風に震えながら観た「風通しのよいカメレオンリポート」(当時、まだ清水宏が看板だっ…

「西国分寺物語」散歩道楽2007秋

プロデュース公演でかなり評判の良かったドリームダンを不覚にも見逃したので、わたしとしては1月の「くらい」以来となる太田善也の作品。もちろん、散歩道楽としての新作だ。 中央線と武蔵野線という2つのJRの路線が交わる西国分寺。教師の職を退いた、…

11月に観たい芝居

もっとも気になるのは、team申の「抜け穴の会議室」。チケット、完敗でした。前川知大(イキウメ)の作、演出なので、なんとしても観にいきたいと思ってますが…。三谷幸喜のシアタークーリエ杮落としも、始まりますね。 どう考えても、今月は自由になる時間…

「0.7+0.5≠1.0+0.2」ミナモザ第8回公演

ミナモザ(水面座)は、作・演出の瀬戸山美咲を中心に2001年旗揚げした演劇ユニットで、公演ごとに役者を募る形で過去7回の公演を行ってきたようだ。わたしは初見。今回(演目は、れんてんななたすれいてんごはいってんぜろたすれいてんににあらず、と読む…

「陰漏(かげろう)〈劇場版〉」乞局第13回公演

ナスティな世界を繰り広げることでは、比類なき乞局。ここのところ下西啓正は、自分の劇団以外の演出作も含めると、「乞局」「廻罠(わたみ)」「耽餌(たぬび)」「媚励(ビレ)」と、旧作と新作を交互に上演してきている。今回は旧作の再演で、2001年銀座…

Banco Del Mutuo Soccorso 〜The Ultimate Japan Tour〜 @Club Citta’川崎

イタリアン・ロックにさほど明るくないわたしだけれども、プログレ・ファンの端くれとして、バンコの名は馴染み深い。聴きこんでいるとはお世辞にもいえないが、代表的なアルバムはひと通り聴いている筈で、前々回の来日のときも渋谷で観ている。 5月の来日…

「月並みなはなし」時間堂第16回公演

時間堂は、1997年に黒澤世莉が立ち上げ。ここのところ、フットワーク軽くさまざまなスタイルにチャレンジしているところが贔屓です。今回の公演は、3年前に同じ劇場で初演された作品をとりあげ、時間堂ではお馴染みとなったリュカ.組の役者たちを中心に再演…

「トワイライト王女〜孤独が中途半端で困る〜」天然スパイラル第12回公演

天然スパイラルは、作・演出も担当する金房実加が舞台芸術学院で同期だった仲間と始めた劇団GOGOケロンパ!を経て、2000年に結成。舞台に立つ6人全員が女性、しかもミュージカルを学んでおり、それを生かして、歌あり、踊りありのパフォーマンス性が高い演劇…

グラデーション/永井するみ(短評)

理論社の〈ミステリーYA!〉の一冊として刊行された「カカオ80%の夏」がなかなか好評の永井するみ。この『グラデーション』は、足掛け3年にわたる「小説宝石」の連載をまとめたものだが、ミステリではない。ひとりの少女の14歳から23歳までを追いかけて…

「ゆらめき」ペンギンプルペイルパイルズ#12

この世界とはちょっと異なるルールに支配されているPPPPの不思議な世界。彼らの描く日常は、一見ありきたりのものに映るが、実は微妙な綻びが隠されていて、そのズレがやがて物語世界を侵食していく。さて今回の新作は、いまどきの夫婦を登場させ、アク…

「おこめ」毛皮族7周年記念公演

ちょっと前から、ホームページのメンバー紹介にも、REGULAR GUESTとして拙者ムニエルの澤田育子の名を掲げているが、実際問題として彼女がいなければ公演がなりたたない状況に近いのではないか、現在の毛皮族。そんな彼女たちの行き詰まりの状況をふと心配を…

「第二章 流れ姉妹〜グレートハンティング〜」真心一座身も心も

大衆演劇を標榜する一座が上演する連続ものの第二幕だ。(前回公演は、2005年青山円形劇場)個人的には、NYLON100℃の村岡希美(のぞみ)が座長を務めるというのが嬉しいが、千葉雅子のホン、川原雅彦の演出に引き寄せられるファンも多いだろう。さらに豪華な…

「Caesiumberry Jam」DULL-COLORED POP vol.5

2005年11月、騒動舎にいた主宰の谷賢一を中心に旗揚げした、まだ2年足らずのユニット。しかし、今春の前回公演はネット上での劇評も悪くなく、清水那保が時間堂の「ピンポン、のような」に客演したり(谷は演出助手として参画)、じわりじわりとその知名度…

恋するからだ/小手鞠るい(短評)

アメリカ、ニューヨーク市在住。「詩とメルヘン」出身、1993年にベネッセの海燕文学新人賞を受賞したこともある小手鞠るいの書き下ろし長篇で、ハワイを舞台にアメリカ国籍日本人少女が主人公の日常と恋の物語である。 ヒロインが等身大であるか、彼女の心情…

「犯さん哉」CUBE presents

作・演出ケラ、座長古田とくれば、これはある意味究極のタッグチームなわけで。ケラが自身のブログで、「駄菓子で腹いっぱいになる」と予告していたが、なるほど、観終えて無駄な満腹感をおぼえた。ここまで吹っ切れりゃ、これはもう天晴れとしかいいようがな…

ゆらゆら帝国 NEW ALBUM発売記念LIVE@新木場STUDIO COAST

新アルバム「空洞です」リリースに伴う全国ツアーの初日。「空洞です」は、ロックの肉体性のようなものを徹底的に排していて、ある意味バンドのストイックな姿勢を究極にまで突き詰めた作品だったわけだけれども、それをライブにどう繋げるかが大きな課題だ…