(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

「鱈。のへ 二匹目のどぜう、発見。〜平成生まれにゃ負けないゼ!〜」Hula Hooperの部活動

年の瀬にはもってこいのバラエティ仕様なので、演劇としてあーだ、こーだ言うのはどうかとも思うが、しかし前回「鱈。のふ」は、趣向の面白さも決まって、なかなか観ごたえのあった彼女たちの部活動。再び渋谷のライブハウスを舞台にしての第二弾。
第一部はライブ(日替わりで、この日はキャプテンクーコッチというバンド)で、第二部が、まぁ芝居のようなもの。アイドルをテーマに、昭和の歌謡ポップスをふんだんに盛り込んだ歌あり踊りありの内容で、役者たちが複数の役を演じながら、人物たちが入り組んだちょっといい話の綴れ織のような内容。
クライマックスが幾重にもやってくるお話作りは、前回同様、菊川朝子の独壇場で、酒を呑みながら観る芝居だからと侮れない。ただ、前回に較べると、駆け足になってしまった印象があるのと、意図的にインターバルを入れたことが徒になって、緊張感があちこちで寸断されてしまったあたりが惜しい。
それと、遠方からのお客さんが、終演を待たずに退場していくのを見るのは、実にしのびない。開演時間と上演時間に、ちょっと配慮がほしい気もした。
しかし、才気あふれる女子部員たちの自由で奔放な芝居作りは、観ていて心が和む。改良を加えたうえで、第三回を期待したいところだ。
そういえば、ナイロン100℃に籍がある筈の沢田ゆき子を久々に観られたのも嬉しかったが、彼女のバンド、ハニー・マニーはまだやってるのだろうか。こういう機会に観られれば、最高なのだけれども、さすがにそれは欲張り過ぎ?(休憩数回を挟んで150分)※19日と20日に公演あり。
■データ
焼酎お湯割りを呑みながらすっかり寛がせてもらったソワレ/渋谷セブンスフロアー
作・演出/菊川朝子 
出演/上田遥、梅澤和美、沖田愛(テアトル・エコー)、上枝鞠生(Hula-Hooper)、沢田ゆき子(ナイロン100℃)、平川道子、森山夕子(動物電気)、畔上千春(ボーダビッチ)
音楽/安田奈加 バンド/荒井康太、石倉久幸(腰のOZZY)、瀬尾雅也(MUSTANG‘78)