(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

「犯さん哉」CUBE presents

作・演出ケラ、座長古田とくれば、これはある意味究極のタッグチームなわけで。ケラが自身のブログで、「駄菓子で腹いっぱいになる」と予告していたが、なるほど、観終えて無駄な満腹感をおぼえた。ここまで吹っ切れりゃ、これはもう天晴れとしかいいようがない。
全体が5部構成だが、そもそも存在しないパートもあるといういい加減な構成。冒頭、世界の終末に、生き残った小学生8人。しかし、古田新太演じる少年は、どうやら気弱で、苛めをうけているっぽい。やがて全員が死亡し、その後始まるお話は、貧乏な古田少年が健気に小説家を目指すというもの。それから34年が経ち、古田はゴーストライターとして成功している。しかし、収入だけでは納得できない古田が、自分の名声が欲したことから妙な具合に話が捩れて。
いや、前の段落の末尾をぼかしたけど、実はあまりに混沌として、よく判らんのです。ただ、時間が進むにつれて、どんどんお話が劣化コピーの様相を呈してくるあたりで、冒頭の人類滅亡のエピソードと妙にリンクするように感じられて面白い。
とはいえ、もう終盤は即興(おそらくは)まで飛び出して、何がなんだか。でも、ひとつひとつのシーンが面白かったことだけは確実なので、なんとかも一度観たいと思っていますが。
しかし、それにしても、贅沢ですね、ケラと古田。パルコ劇場の舞台で、お金(大枚8500円!)をとって、これだけ無茶ができるなんて。(おまけに客席は満員だし)いや、わたしもケラのナンセンスと古田の暴走を堪能しましたがね。いやはや。(130分)※東京公演は28日まで。その後大阪公演あり。

■データ
それにしても前半襲ってくる睡魔は何?のソワレ/渋谷パルコ劇場
10・6〜10・28(東京公演)
作・演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチNYLON100℃
出演/古田新太劇団☆新感線)、 中越典子犬山イヌコNYLON100℃)、 姜暢雄studio life)、 大倉孝二NYLON100℃)、 八十田勇一、 入江雅人(SHA.LA.LA)、 山西惇