(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

2009-01-01から1年間の記事一覧

「血縁〜飛んで火に入る五兄弟〜」モダンスイマーズ10周年記念

今まさに劇作家としての活躍めざましい蓬莱竜太が率いるモダンスイマーズ。十周年記念モダン祭、時空を超え、噴火するんだ五兄弟、と銘打っての節目の記念公演。 内容的には、エチュードというか、5人の劇団員がアイデアを持ち寄ったそうで、芝居を観にいっ…

結成40周年記念!山下洋輔トリオ復活祭@日比谷野外音楽堂

いわゆるジャズ・ファンではないわたし。でも、歴史に名だたる山下洋輔トリオを見れるとあって、いちもにもなく前売りチケットをゲットし、駆けつけました。 山下洋輔トリオについては、同年代の友人を通じて、いかにすごいかをリアルタイムで散々聞かされて…

「明けない夜」JACROW#12

前作は時代劇だったが、前々作のミステリ劇の路線に立ち返ったJACROWの新作。 舞台は1963年、裕福な家庭の一室。平和な日常を壊す一本の電話から始まる。誘拐事件の果てに浮かび上がるねじれた人間ドラマ。(サイトからあらすじを引用) エド・マクベインの…

「旅がはてしない」ひょっとこ乱舞第21回公演

前回の「プラスチックレモン」@吉祥寺シアターの無限に膨らんでいくイマジネーションの世界に、いたく感動したひょっとこ乱舞。個人的には、去年観た芝居の中のベストのひとつかも。さて、それに続く「旅がはてしない」は、4年前に王子小劇場で上演した作品…

「cover」ペンギンプルペイルパイルズ #14

意外にも、初本多劇場とのこと。しかしさらに意外なことに、初日ソワレは空席が目立って。 姉は三十年前に姿を消した。二人の弟はすでに諦めていた。ある日孤独な漁師がタコを釣る。タコの背に手紙が張り付いていた。姉が子供の頃に風船で飛ばした手紙。弟達…

フジファブリック CHRONICLE TOUR FINAL@渋谷C.C.レモンホール

ツアー初日のZEPP TOKYOの日に、夜帰宅して、すぐにネットでチケットを押さえました。新曲と旧曲のバランスが良く、期待にたがわぬ、今考えうる最高のセットリスト、だったと思う。 (セットリスト) Stockholm Anthem Merry-Go-Round 銀河 バウムクーヘン …

ことばをうたうバンドあなんじゅぱす presents「うたはもライヴ」@阿佐ヶ谷next sunday

青年団の役者で、音楽担当もよくやってるひらたよーこ。普段は自身のバンドあなんじゅぱすを率いているが、旧友のハモニカ奏者清野美土を迎えての別働ライブ。ゲストは、矢野誠と大光亘のぴあどらでした。 (メンバー) ひらたよーこ(歌、ピアノ) 清野美土(…

LIQUIDROOM 5th ANNIVERSARY ゆらゆら帝国/DMBQ/にせんねんもんだい@恵比寿リキッドルーム

このライブを終えてヨーロッパツアーに旅立つにせんねんもんだい、ボディコン・サイケのDMBQとのジョイント。ゆら帝は新曲を3曲もやって、新たなるレコーディングを予感させるライブでした。 (セットリスト) (新曲) (新曲) 心は半分 男は不安定 やさ…

「キドクラッチ」ドリルチョコレート

ドリルチョコレートは、MCRを主宰するドリルこと櫻井智也がプロデュースするユニット。約1年ぶりとなる「キドクラッチ」だけれど、このタイトルって、かつて新日本プロレスの人気を支えたひとり木戸修のスペシャルホールドだよね。 客が来なくて、傾きかけた…

「ケモノミチ」ブルドッキングヘッドロック vol.17

最初が三鷹芸術文化センターで観た「不確かな怪物」だから、長い付き合いというわけじゃない。しかし、舞台上がやや混沌としていた二年前と較べると、格段の進歩があるように思えるブルドッキングヘッドロックの新作。 「アイツ」は突然現れて、僕らの住んで…

「向日葵と夕凪」七里ガ浜オールスターズ 第四回公演

前回の駅前劇場から間もなく3年、久々の七里ガ浜。今はなき劇団の埋もれかけたレパートリーの埃を掃って俎上に乗せて、という公演。 振り返る もうないけど 向日葵と夕凪と 笑ってる君がいた。高校の美術教師が息を引き取った。その小さな出来事は街の住人…

「スメル」キリンバズウカ Tokyo 2nd Shot

前作「飛ぶ痛み」の前日譚にあたる本作。「永住禁止条例」が施行された近未来の東京。働かざるもの住むべからずで、定職もなく、納税もしない若者は、帰郷を余儀なくされる。しかし、その条例にはちょっとした抜け道もあって、ゴミ屋敷の清掃ボランティアに…

「奇ッ怪〜小泉八雲から聞いた話」

「抜け穴の会議室」が取り結んだ前川・仲村コンビ再び。世界に誇る(?)小泉八雲の「怪談」という古い酒を、イキウメの前川知大という新しい器に入れる試み。 (以下、ネタバレを含みます。未見の方はご注意を!) 古びた旅館に二人の男がやってくる。二人は…

IT BITES JAPAN TOUR 2009@渋谷O-EAST

フランシス・ダナリーとジョン・ベックのバカテクに唖然とした郵便貯金ホールから、もう20年かぁ。KINOのジョン・ミッチェルを加えて、新譜の「The Tall Ship」を出したので、もしかしたら、とは思っていたけど、意外と早く来日公演が決まって、びっく…

「セインツ・オブ・練馬」ロハ下ル presents 01

その作風や方向性にひと区切りをつけたのか、それとも発展的解消だったのか。とまれ、スロウライダーをリセットした山中隆次郎が、數間優一、芦原健介をはじめ、町田水城(はえぎわ)、夏目慎也(東京デスロック)、金子岳憲(ハイバイ)らとともにスタート…

2009年上半期面白かった芝居

上半期のベストテンです。といっても13作、いや絞っても意味ないと思って。順位はありません、観た順番です。観劇時に忙しくて、いまだにブログが虫食いで、なんともお恥ずかしい次第。 ・1月 「自転車の盗難」ナカゴー第7回公演 @王子小劇場 「レドモン…

「眠るために目醒める」reset-N ver.24.0

reset-Nは、上智小劇場、橄欖舎などを経た夏井孝裕が主宰する東京を拠点とする現代演劇カンパニーで、1995年旗揚げ。ヌーヴェルヴァーグを標榜するのは、主宰の渡仏留学経験ゆえか。わたしがお邪魔するのは、初めて。 この作品は二つの場所から立ちあがりま…

「鳥の飛ぶ高さ 〜Par-dessus bord」青年団国際演劇交流プロジェクト2009 日仏交流企画

公演期間も後半に差し掛かると、否応なくその評判が耳に入ってくる。「鳥の飛ぶ高さ」をめぐっては、あちこちの劇評でその評価が両極端な賛否に分かれていて、これは絶対に確かめにいかねば、という気にさせられた。とはいえ、青年団なので、ある程度のクオ…

「セクシードライバー」劇団、江本純子 vol.1

立ち上げから3か月連続しての新作上演(しかも福岡での地方公演もあり)というのは、相当のエネルギーを要すると思しき劇団、江本純子。この苦行も次のステップを模索してのことだろうが、(vol.0に続く)2回目でいきなりのこの顔合わせ。反則だよなぁ、と…

「ヨシザキ、カク語リキ」バジリコFバジオ

原作福原充則とあるが、正確には福原がピチチ5で上演した過去作品の幾つかから本歌取りした佐々木充郭のオリジナル脚本。原典は、「吉崎、かく語りき」(『はてしないものがたり』より)「魚の生徒」、「牛丼太郎高円寺店」(『おさびしもの』より)の計3…

「アンドゥ家の一夜」さいたまゴールド・シアター第3回公演

世界でもっとも人生経験が豊富な役者たちが集うさいたまゴールド・シアター。蜷川さん率いるSGTの存在は大いに気になっていたけど、ホームグラウンドの彩の国芸術劇場は、家からちょっと遠い。でも、ケラが新作を書き下ろすとあれば、そうそう尻込みばか…

「芍鸝(シャックリ)」劇団乞局第16回公演

違和感は乞局の持ち味のひとつなのであるから、彼らの常連客は、お話がちょっとやそっと日常から乖離してても、それを愉快に思いこそすれ、マイナスだとは思わない。いや、常連客ってのは、つまりはわたしのことなのだけれど。難しい字をタイトルにあてた新…

「一人オリンピック〜千の仮面をもつ女〜」高木珠里ひとり芝居

観てるだけで幸せと感じる女優さんの最高峰のひとり、高木珠里がひとり芝居にチャレンジするとあっては、駆けつけないわけにいかない。そう思ってる人は多いと思うけど、勿論わたしもそのひとり。 (以下、ネタバレを含みます。未見の方はご注意を!) 世界を…

「リッチマン」拙者ムニエル15周年記念公演

強引なストーリー展開とアクの強い笑い。お馬鹿と知りつつ、ついつい癖になってしまう拙者ムニエルも、そうですか、結成から15周年ですか。おめでとうございます。今や年1の公演ペースとなった彼らの、吉祥寺シアターを横長に使っての記念公演。 神社でお…

「桜姫−現代劇」Bunkamura20周年記念企画

鶴屋南北の「桜姫」の新旧2つのバージョン(翻案の現代劇とオリジナルの歌舞伎)を、二ヶ月連続で上演するコクーン歌舞伎15年目(10回目)の特別企画。まずは、イギリス留学中の長塚圭史による古典の大胆な換骨奪胎版から。 (以下、ネタバレを含みます…

「空耳タワー」クロムモリブデン

「静かな演劇」を標榜すると予告されたクロムの新作。タイトルから想像されるように、2012年に控える地上波デジタル放送への移行や、新東京タワー建設などの時代の空気を織り込みながら。 (以下、ネタバレを含みます。未見の方はご注意を!) ふられた腹いせ…

「鬱病のサムシンググレート」エビビモpro.第5回公演

エビビモpro.は、舞台芸術学院のOB卒業だった矢ヶ部哲、山増圭らによるプロデュース公演をきかっけとして、2007年に旗揚げされたプロデュース・ユニット。オリジナルのミュージカル上演を志す彼らの第4回公演にあたる〈シアタートラム ネクスト・ジェネレー…

DULL-COLORED POP「ショート7」のレビューを「wonderland」に寄稿しました

6月10日に発行されたメルマガ「小劇場レビューマガジン ワンダーランド」に掲載され、今は「小劇場のいまにふれる劇評サイト〜wonderland」で読めます。タイトルは「エロチシズムの上で弾けるポップコーンのように」。リンクは下記のとおり。 》》》「エロチ…

UKZ Japan Tour 2009 @六本木STB139

再結成が流れても、いつか実現すると思ってました。日程の都合で、東京初日の九段会館はスルーして、最終日のライブハウス公演に足を運びました。 でも、過去の曲に依存したセットリストは、やむなしとはいえ、ちょっと空しくもあります。いや、「In The Dea…

「リサイクルショップ『KOBITO』」ハイバイ(本文追加予定)

後刻、本文を追記する予定です。 (100分)※16日まで。その後大阪公演(精華小劇場)あり ■データ 謝らない遅刻者をテーマにしたアフターアクトで「こんびにゅ」を思い出したソワレ/こまばアゴラ劇場 6・5〜6・16 作・演出/岩井秀人 出演/金子岳憲、永井若…