(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

「キドクラッチ」ドリルチョコレート

ドリルチョコレートは、MCRを主宰するドリルこと櫻井智也がプロデュースするユニット。約1年ぶりとなる「キドクラッチ」だけれど、このタイトルって、かつて新日本プロレスの人気を支えたひとり木戸修スペシャルホールドだよね。
客が来なくて、傾きかけた海の家。しかし、この夏も、小椋あずきは櫻井智也の手伝いで律儀に店を開ける。すると、毎年決まってやってくる有川マコトが今年も現れる。そして、なぜか今年は二組のカップル(川島潤哉と近藤美月、中川智明と吉田久代)までやってきて。
芸達者を揃えたなんとも贅沢なキャスティング。あらかじめアドリブのパートも織り込まれているようで、個性派の役者たちの見せ場も十分ある。
上演時間は短いが、七夕という風物詩を絡め、ジェントル・ゴーストストーリーに仕立てた恋物語の濃縮具合も抜群で、小椋、有川、櫻井の切ない三角関係が胸にしみる。大いに笑ったあとに、ほろりとさせられました。最後の最後で、ややひねりそこねた感もあるけど、結構なものを見せていただきました。(50分)
■データ
あくとれの舞台に潮風がそよいだマチネ/中野スタジオあくとれ
7・8〜7・12
作・演出/櫻井智也(MCR)
出演/有川マコト(絶対王様)、小椋あずき、川島潤哉コマツ企画)、櫻井智也(MCR)、中川智明、近藤美月、吉田久代(ククルカン)