(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

「毒と音楽」あひるなんちゃら

2月の「UFOcm」、5月の「屋上のオフィス」に続いて、早くも今年三公演目のあひるなんちゃら。その脱力系の作品世界とは裏腹のこの精力的な活動は、ファンとして嬉しい限り。
ふたつの場面が交互に描かれていく。そのひとつは、とあるバー。アルバイトの岡田(黒岩三佳)は、暇に飽かせて「悪いこと」を企み、マスターと常連客をそれに巻き込もうとしている。一方、さる音楽事務所。マネージャーも所属アーティストもメタメタの事務所で、唯一まともなペリーヌ(根津茂尚)は、ロックバンドでカスタネットを担当している。ある日、バンドのメンバーは誰が置いたか判らない飲料を飲んでしまって。
前半はふたつの話がどう絡んでいくのかがミソ。しかし、ふたつの場面の関係が明らかになっても、一向に先が読めない(というか、行き当たりばったりに見える)展開が魅力。傍若無人なトラブルメーカーと、不条理にもそれに巻き込まれて迷惑を蒙る人々を描いて、なんとも微妙な笑いを呼び寄せる。こころ和むあひるなんちゃらの世界を今回も堪能しました。(70分)

■データ
マチネ/王子小劇場
6・20〜6・25
脚本・演出/関村俊介
出演/黒岩三佳、根津茂尚、金沢涼恵(クロムモリブデン)、星野友紀、増戸香織、田部寛之、江崎穣(ハリケーンディスコ)、畠山綾野、大室光来(ボーダビッチ)、藻田るりこ