「ダイブして、今すぐっ ほらっ〜Let's Dive Hey Now」宇宙レコード

G-upプロデュース「散歩する侵略者」や演劇キックプロデュース「天国と地獄」で、独特の存在感がやけに印象に残った小林顕作のホームグラウンドとして、宇宙レコードは気になってました。1996年結成なので、今年が11年目。去年の「そうですね、早くて一時間、一時間で終わりますよ」を見逃していたので、今回ようやく。
病院を舞台にした不幸自慢大会、喫茶店の嫌われ常連客、落ちても落ちてもオーディションに賭ける男、演劇界の悪い噂などなど、小さなネタをオムニバス風に展開。プロムナードとして、金髪モデルの独白や、ムーミンの知られざるエピソードをイラストで見せたり。
そこそこに楽しめるコント集だが、よその芝居に出張っている姿と比較すると、小林は冴えない。本人は笑いに思いいれがあるのやもしれぬが、拘泥しない方がいい仕事ができるのではないか。全体に目を配っている緊張感からか、彼のいつもの溌剌とした良さがほとんどないのが寂しい。相当の苦労性なのかも、と余計な想像をしたりもする。
なお、コントの間を繋ぐ「NAィKI」は、ちょっとどうかと思った。音楽としての興味もわかなければ、笑うことも出来ずに、煩いばかりで困った。（90分）

■データ
初日ソワレ／笹塚ファクトリー
6･21〜6・24
出演／西村たけお、小林顕作、中村たかし、NAィKI(加藤直美・岸潤一郎)、他
舞台監督／筒井昭善・横尾友広　音響／竹下亮(OFFICE my on) 　照明／鈴木みづほ　衣装／高松浩子　小道具＆宣伝美術／清水克晋(SEEMS)