(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

「怒って怒って」劇団おぼんろ番外公演3.5(PPOI喜劇祭)

自戒を込めて、おんぼろではありません、朧(おぼんろ)。(すみません、前に間違えました)おそらくはエンクラこと早稲田演劇倶楽部出身の劇団で、2006年の冬結成。以来、どらま館やタイニィアリスでの素晴らしい観客動員が風評で伝わってきて、企画もののイベント(PPOI喜劇祭、4団体が参加)で王子小劇場初進出ということに。
小学校の父兄会。担任の先生を囲んでの全体会もやっと終わり、さて個人面談という段になって次々に噴出する親たちのわがままの嵐。いじめのデマや、教師への難癖などなど。担任のあまりに頼りなさに、女教頭がしゃしゃり出てくるが、彼女までをも巻き込み、親たちのエゴと無責任はエスカート。てんやわんやの事態へと突入していく。
モンスター・ペアレンツというテーマの選び方は、機を見るに敏でナイス。ただし、シチュエーション・コメディを謳いながら、テーマそのもの、つまりモンスター・ペアレンツの可笑しみだけで笑わせようとするのはいささか工夫がない。コメディセンスの薄さを、客いじりで水増しするのも、ちょっとどうかと思う。
達者さが上滑りするような役者陣も物足りない印象。と厳しいことばかりを連ねる書き方になってしまうが、まだまだ伸び盛りで、見映えのする役者が多いなど、観客の注目を集める要素もあるように思う。短いインターバルで公演を打つなどの意欲を、着実に成長に繋げていってほしい。(90分)

■データ
学生だらけの客席で熱気にややあてられたソワレ/王子小劇場
6・6〜6・15(PPOI喜劇祭)
作/奥脇健一 演出/末原拓馬
出演/阿久澤菜々、葛西遼太朗、末原拓馬、高橋克己、正宗史子、池田じゅん、小林そら、桜井武人(カカフカカ企画)、服部晋、横井佑輔