中村航/絶対、最強の恋のうた(短評)
昨年〝100回泣くこと〟(2005年・小学館)で大きくブレイクした感のある中村航。出発点の文藝賞受賞作〝リレキショ〟(2002年・河出書房新社)も悪くなかったけど、男性作家6人による恋愛小説アンソロジー〝I love you〟(2005年・祥伝社)に収められた〝突き抜けろ〟で、わたしはこの人をマークすることに。(外に伊坂幸太郎、石田衣良、市川拓司、中田永一、本多孝好)
この〝絶対、最強の恋のうた〟は、その〝突き抜けろ〟の長篇化ともいえる作品で、元の短篇に手を加えたものが、そのままこの長篇小説の一つの章になっている。泣きや恋愛の甘さを謳う恋愛小説が多いけれど、ストイックなまでに絞り込んだ淡く、儚い恋愛描写が忘れ難い印象を残す。必読。
- 作者: 中村航
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/10/26
- メディア: 単行本
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