(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

中村航/絶対、最強の恋のうた(短評)

昨年〝100回泣くこと〟(2005年・小学館)で大きくブレイクした感のある中村航。出発点の文藝賞受賞作〝リレキショ〟(2002年・河出書房新社)も悪くなかったけど、男性作家6人による恋愛小説アンソロジー〝I love you〟(2005年・祥伝社)に収められた〝突き抜けろ〟で、わたしはこの人をマークすることに。(外に伊坂幸太郎石田衣良、市川拓司、中田永一本多孝好
この〝絶対、最強の恋のうた〟は、その〝突き抜けろ〟の長篇化ともいえる作品で、元の短篇に手を加えたものが、そのままこの長篇小説の一つの章になっている。泣きや恋愛の甘さを謳う恋愛小説が多いけれど、ストイックなまでに絞り込んだ淡く、儚い恋愛描写が忘れ難い印象を残す。必読。

絶対、最強の恋のうた

絶対、最強の恋のうた