(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

「授業」乞局番外公演 小局企画第3局その1

役者のスキルアップを目指していると思しき乞局の番外公演。「授業」は、言わずと知れた20世紀フランスの不条理劇作家イヨネスコの代表作で、幾通りかのキャストでそれにチャレンジという企画。まずは、教師役三橋、生徒役岩本、女中役墨井のバージョンから。
正直言うと、三橋の教師役はややハードルが高いか。多少台詞を噛むのは仕方ないとしても、授業内容のインチキくさいペダントリーが、きちんと咀嚼されていない感じ。いかがわしい中にも、不思議な説得力が伝わってくる内容だったような気がするのだが。それがちっともない。
一方、生徒と女中のふたりは、それぞれにいい味を出していた。岩本えりの瀕死の生徒役は、やけにセクシーだったし、墨井鯨子演じる女中のお目付け役ぶりも板についていた。短い上演時間は、主宰の言うように観やすいが、3人のチームワークに、もう少し物語の引き伸ばす余裕があってもいいようにも思える(40分)

■データ
初めてのヴィオロンが近所にあったらなと思えた6時45分開演の回/阿佐ヶ谷名曲喫茶ヴィオロン
3・16〜3・26
作/ウージェーヌ・イヨネスコ 演出/下西啓正
出演/岩本えり、墨井鯨子、三橋良平