「アタシだけ楽しいの」バナナ学園純情乙女組 第四回〜落しマエ公演〜

中屋敷法仁の脚本提供で、柿喰う客の弟分（いや、妹分か）といった感じのバナナ学園純情乙女組。二階堂瞳子を中心に、桜美林大学のメンバーにより結成。2008年春の初舞台から、とんとん拍子で王子小劇場に辿り着いた彼ら。

「今日から３年間よろしくね！…３年生きれるか、わかんないケド」入学式早々、いきなり勃発大戦争！マシンガン乱射の教職員！手榴弾バラまく先輩方！初々しい新入生たちは、逃げ惑うしかできないのか！？体育館倉庫に眠る巨大ロボの謎とは？学級花壇に埋められた真実の愛とは？物語の行方は、PTA会長が握っている…！バナナ学園純情乙女組伝説、ここに完結！！（バナナ学園純情乙女組のサイトより引用）

上の引用と実際の舞台ではあらすじがちょっと違うが、マシンガンのように台詞を撒き散らしながら、連載コミックかと言いたくなるような物語を一気に駆け抜ける６０分。学芸会乗りの出だしだが、次第に加速していく展開に、ついつい引き込まれる。
柿喰う客の複製ととられても仕方ない部分もあるが、それが劣化コピーではなく、勢いと無謀さの限りをつくし、元祖がすでに失いつつある若さと輝きを湛えていることろが新鮮。その熱気にあてられ、本家を追い落としにかかる日も遠くないのではないか、などという過剰な期待をついつい抱きたくなる。
なので、メタでしたというオチで中途半端に幕を降ろす中屋敷の脚本の弱さが惜しまれるところだ。（60分）※3月15日まで

■データ
平日の昼とは思えぬ賑わいのマチネ／王子小劇場
3･11〜3･15（全10ステージ）
脚本／中屋敷法仁（柿喰う客）　演出／二階堂瞳子
出演／二階堂瞳子、加藤真砂美、野田裕貴、前園あかり、浅川千絵（ξЖΘ?を信じる会）、甘粕阿紗子（カムヰヤッセン）、小川貴大（ハイベビ）、梶井咲希、河野愛、小島明之、小林史緒(サムライプロモーション)、紺野タイキ（帝京大学ヴィクセンズシアター）、柴田薫（東京タンバリン）、高村枝里、野上真友美、野田孝之輔、藤原弘樹、緑川陽介、山口航太、鈴木康太(類プロダクション)、酒巻誉洋(elePHANTMoon)