「授業」乞局番外公演 小局企画第3局その２

前回観た「授業」というのが、教師を中田顕史郎が演じ、生徒を宮嶋美子が演じた風琴工房の番外公演で、小悪魔的な魅力の宮嶋も去ることながら、中田のやたら達者な教師役が素晴らしく、その印象が強く残っているため、どうしても男優陣には厳しいものさしを当てたくなる。
ということで、2ステージ目は、教師をサスペンデッズの佐野と交替し、女中と生徒役の女優が入れ替わったバージョンだが、うーん。こちらも教師役がいまひとつか。佐野の教師は三橋よりもキャラが立っている分、狂気と暴力に走る役柄に相応しいように映るが、やはり踏み込みが足りないと思う。
それに較べて、ふたりの女優は立場を替えて、またもやいい味を出していた。ともあれ、演出もそうだが、役者たちはいい経験を積んだ筈。次はその経験を、６月の本公演以降にそれをどう反映していくかだろう。興味深く見守りたい。（40分）
■データ
50分のインターバルで夕食のラーメンを慌しくすすった8時15分開演の回／阿佐ヶ谷名曲喫茶ヴィオロン
3･16〜3･26
作／ウージェーヌ・イヨネスコ　演出／下西啓正
出演／岩本えり、墨井鯨子、佐野陽一（サスペンデッズ）