(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

2012-01-01から1年間の記事一覧

ppoi-っぽい-第1回本公演「星がるキミは雲の下」

コミックのタイトルではありません。そんな名前の新しい劇団による旗揚げ公演。ホテルの一室に出入りする人々をめぐって、思わせぶりな人間関係、思わせぶりなエピソードが繰り広げられていくが、結局、それらの断片は何も絵柄を浮かび上がらせないまま終わ…

青年団第66回公演「月の岬」

「海と日傘」で岸田賞をとっているマレビトの会の松田正隆の代表作にして、平田オリザとのコラボ作。初演は1997年。その後再演を経て、今回は12年ぶりの再々演だとか。わたしは初見である。 長崎方面の離れ島。姉と弟の二人暮らしの風景を軸に、島で暮らす人…

ナカゴー特別劇場「なしのつぶて」

同日に観た青年団をくさし、ナカゴーを褒めるのは、ちょっとオタクが過ぎるかなという気もするけど、やむをえないよなぁ、面白いんだから。先の浅草に続く特別劇場だが、ナカゴーなら何を見せられても面白い状態、の今のわたしである。 自宅の居間で、カップ…

直子あんりタイタイ「乙女ごころ三人姉妹」

芸達者、パワフル、天然。気になる若手女優三人によるユニットの最初の一歩。とくれば、スルーするのはちょっともったいない。出し物が、もともとは成瀬巳喜男の戦前の映画(1935年)という目のつけどころも嬉しい。(ちなみに、この映画、原作は川端康…

「南部高速道路」

「石蹴り遊び」で知られるアルゼンチンの作家フリオ・コルタサルの短編小説に想を得ての舞台化らしい。原作は、作品集「悪魔の涎・追い求める男」(岩波文庫)に収録されている同題の小説で、今回の舞台化への経緯は、次のとおりだという。 3年ほど前に、フ…

ホチキス プロデュース公演「看板娘ホライゾン」

ロリータ男爵が観られなくても構わないけど(失礼)、丹野晶子の姿が舞台で見られなくなったのは寂しく思っていたわたし。というわけで、彼女をフィーチャーしてのホチキスの公演、当然期待に胸も膨らみます。 客が全く来ない饅頭屋「金蝶堂」。父が饅頭を焼…

劇団☆新感線2012年春興行 いのうえ歌舞伎「シレンとラギ」

久々に劇場で聴くジューダス・プリーストの曲とそれに続く列車発車の合図音。シアタートップス進出以来のオールドファンだけど、チケット争奪戦とお高いチケットにちょっと嫌気がさして、遠のきがちだった劇団☆新感線。久しぶりにちょっと観てみたくなって。…

青☆組 vol.16「キツネの嫁入り」

劇団自身の言葉を借りるならば、「ほろ苦いペーソスと透明感を持ち味に、市井の人々の営みを描き続ける」のがこれまでの彼ら。そこから一歩、いや大きく踏み出してみせる吉田小夏@青☆組の新作だ。 むかしむかしの、未来の昔。ある村に、おじいさんと、おじ…

Cucumber+三鷹芸術文化センターpresents土田英生セレクション Vol.2「燕のいる駅」

2010年に田中美里をフィーチャーした「─初恋」以来となる〈土田英生セレクション〉の第二弾。MONOの公演以外で、土田作品を観ることができる貴重な企画だ。『燕のいる駅』は、もともとは外部に書き下ろした作品のようだが、1999年にMONOが上演。土田自身の演…

NYLON100℃ 38th session「百年の秘密」

テーマは、人と人を結びつける何か。男同士であれば友情とあっさり片付けられるであろうその何かに相当するものが、もちろん女同士にもあることは間違いない。映画では割とおなじみのテーマだし、芝居の世界でもきっと多数の先例があると思うが、そのちょっ…

リュカ.第11回公演「天使たち」

本当に久しぶりのリュカ.。調べてみたら、時間堂とジョイント公演した「 vocalise (ヴォカリーズ) 」(2006年11月)以来だった。ずいぶんと音沙汰なく、てっきりフェイドアウトしたんだろうと思ってたけど、そんな悪しき読みが外れてよかったな、とつくづ…

サンプル10「自慢の息子」

時に恋心もあっさり冷めてしまう。サンプルへの熱烈な思いが忽然と失せたのは、忘れもしない2009年秋の「あの人の世界」@東京芸術劇場小ホール1。2006年春の「地下室」@春風舎以来、たちが悪い風邪の微熱のように取り憑いていた何かが嘘のように消え、そ…