(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

ニッポンの河川 第4回公演「大きなものを破壊命令」

2006年に旗揚げ、役者の森谷ふみ、光瀬指絵と脚本・演出の福原充則によるユニットの新作。福原・ピチチ5のファンだし、ずっと気になってはいたけれども、これまで縁なく今回が初見です。
初日に観るつもりが楽日になってしまうことの多いわたし。これも、初日に観てればもう一回観られたのに、と激しく後悔した。というのも、あまりに展開のテンポが良過ぎて、わたしの脳内処理速度がそれにまったくついていかなかったからだ。
並行して語られていく地方都市で起きている絞殺魔事件と、ラバウルの森をさ迷う四人姉妹の女兵士たちの物語は、ほとんどナンセンスの世界だが、決め台詞のたたみ掛けとパキパキした演出で、独特な演劇的な世界を作り出している。これがきわめて濃密。
一方、手持ちのハンディなカセットテレコを操作し、照明のフットスイッチを切り替えながら、複数の役を演じわけていく四人の女優が実にかっこいい。彼女たちのスピーディな動きが、そもそものテンポの良さにさらに拍車をかけ、加速していくという仕掛け。あっという間の1時間だ。
終始圧倒されっぱなしで、物語が脳にしみこむ間がない。ああ、もう一度観たい!(60分)
■データ
こまばアゴラ劇場
8・10〜14
作・演出/福原充則(ピチチ5)
出演(音響・照明も)/森谷ふみ、光瀬指絵、寺西麻利子(セキララ)、佐藤真弓(猫のホテル