ピコーン！／青山景+舞城王太郎（短評）

ご本尊の舞城は、〝新潮〟に連載していた〝ディスコ探偵水曜日〟がいよいよ第三部で完結し、夏には書き下ろしの第四部を追加して単行本化がようやく決まったという。で、こちらは、以前雑誌掲載されたまま半分忘れられかけていた青山景の〝ピコーン！〟（〝熊の場所〟所収）のコミック化が、やっと単行本になった。ボーナストラックは、描き下ろし〝スクールアタック・シンドローム〟（〝みんな元気〟所収）のコミック化である。
ほう、これって、結構いいのでは。とんがりすぎて、すんなりと馴染めない部分もあった原作が、見事に咀嚼されている。絵柄も悪くないし。多少、叙情性が過多な感じがないではないが、借り物ではない世界を構築してますね、青山景。月並みな言い方だが、これがきっかけとなって、どれ小説も読んでみようかという若者が出てくれば、しめしめなのだが。

ピコーン! (IKKI COMICS)