(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

ワイルドシングス2 (2003)

はてさて、出来の悪い続編である。映画のデータベースallcinemaを見ると、オリジナル・ビデオとなっているので、こちらのパート2の方は本国でも劇場公開はされていないのかもしれない。まるで前作をなぞるように沢沼地から始まるイントロ、ハイスクールの講堂の場面、そして男女のトライアングルと、前作を引き摺りながら物語は繰り広げられていく。これは、趣向というよりは、逆に芸のなさと見たけど、どうか?
母親を亡くし、義理の父親と暮らす女子高生ブリトニー(スーザン・ウォード)は、何不自由のない裕福な暮らしを送っている。しかし、自家用機の墜落で義父が死亡し、自分には最低の生活費しか遺産が遺されていなかったことを知る。そんな折、クラスメイトのマヤ(レイラ・アルシーリ)が、義父の実の娘だと名乗り出る。DNA鑑定の結果、マヤは実子と認定され、彼女は財産とブリトニーの義父にかかっていた多額の保険金を手にする。ところが法廷では対立の関係にあったブリトニーとマヤは、実は共謀し、検屍官(ジョー・マイケル・バーク)を抱き込んで、義父の財産と保険金を手にしたのだった。
物語は、このあと、保険会社から派遣された調査員(イザイア・ワシントン)が、彼女たちの陰謀を暴くために調査を進めていくのだが、緊張感も見所もほとんどない展開に終始する。先に書いたように、前作の形骸を引き摺っているだけに、逆にみすぼらしさが目立ってしまうところがある。最後にどんでん返しもあるのだが、ほとんど衝撃を受けない。というか、だいたいそれくらい想像してたよ、ってなもの。困ったものである。
監督は、『ラスト・デスペラード』のジャック・ペレス。映像も前作に全然及ばず、役者もB級。2作目が格落ちするのはよくあるパターンだが、脚本、プロダクション、役者のすべてが安手で、がっかりさせられる。[BOMB]

前作の『ワイルドシングス』というタイトルについて推測を書いたところ、友人から指摘をもらった。すなわち things という複数形になっているので、セックスの意味ではないように思う、とのこと。なるほど、ご指摘に感謝します。wild thing は、すごいやつ、とか、手に負えないやつら、という意味で、セックスはそこにかけてある、って程度のものかもしれない。

(ネタばれ)
実は、義父は死んでおらず、自家用機の事故は偽装だった。しかも、死んだはずの母親は生きていた。ブリトニーは義父を裏切って殺し、母親とともに遺産と保険金を手に入れる。