(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

「わが星」青年団リンク ままごと

日芸在学時代の2004年に、『ドドミノ』で第2回仙台劇のまち戯曲賞大賞を受賞した柴幸男。わたしは、去年のtoi presents 4th「四色の色鉛筆があれば」@シアタートラムの『反復かつ連続』を観て、その素晴らしさに仰天しました。『わが星』は、青年団リンクとして旗揚げしての第一作。

夜空に瞬く無数の光、今そのひとつが消えた。そのことに誰も気がつかない、だって夜空は広すぎるから。かつてあの星には色んな人が住んでいて、幾度となく慈しみあって争いあって、そして静かに滅んでいった。僕は彼らを思い出す、いつか僕のことも誰かが思い出すのだろうか。あの星の話をしよう、そこに暮らしていた人々の話、今はもう誰も知らない話。星の誕生から滅亡までをひそやかに語る、今回はそんな "ままごと"。 (公式サイトより引用。改行、句読点は修正)

この作品でも、無限のイメージをひとつの演劇として切り取り、表現してみせる手腕に感嘆。とらえどころのない悠久なる時間の流れのイメージが、舞台上に見え隠れするのにも感動。
ただ、手法としては、すでに完成を見ているような物足りなさがある。観るのは二作目なのに、なぜ?小劇場系としては、文句なしに今年のベストのひとつといっていい舞台だとは思うが、柴幸男へのわたしの期待値は高い。もっともっと先に行ってほしい。
音楽(サウンド)にも口ロロの三浦を起用し、面白いところを狙っている。時報の音をピアノの音(おそらく)で反復していく方法が、作品のイメージにも繋がり、ほほぉと感心させられた。(80分)

■データ
連休最終日にして公演楽日のマチネ/三鷹市芸術文化センター 星のホール
10・8〜10・12
作・演出/柴幸男
出演/青木宏幸、大柿友哉(害獣芝居)、黒岩三佳(あひるなんちゃら)、斎藤淳子(中野成樹+フランケンズ)、永井秀樹青年団)、中島佳子、端田新菜(青年団)、三浦俊輔
音楽/三浦康嗣(口ロロ