(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

「贅沢ラム」クリウィムバアニー

クリウィムバアニーは、第15回ガーディアン・ガーデン演劇フェスティバルにおける昨年のコンペティションで二次選考の狭き門をくぐった団体のひとつ。イデビアン・クルーのダンサー菅尾なぎさが中心になって、2005年12月に旗揚げしたダンス・ユニットである。タイトルにあるラムは、ラム酒のラム、羊肉のラム、そして「ダーリン、愛してるっちゃ」(うる星やつら)のラムだとか。
格式あるホテルを思わせるスペースに、ベッド、便器、蓄音機などが点在する広い舞台。ホスピタリティはダンスで、とばかりに乙女たち8人が踊りまくる1時間弱。ガーリッシュな雰囲気がたっぷりと立ち込める一方で、食と排泄を観客の視野に入れることで、肉体の存在感が露わになる瞬間もある。
しかし、ガーリーとセクシーのバランスは実に絶妙。いずれかに傾きそうになりながら、その一歩手前に留まるストイックな姿勢が、実にお洒落に感じられる。飛び道具に使われるのではと予想していた丹野晶子も、全体のアンサンブルの中で実に自然に収まっていたのが、意外だった。いささかの未熟さも含めて、若さがいい形で現れている舞台で、その瑞々しさが印象に残った。(55分)

■データ
松浦和香子改め羽伽子(ばかこ)にびっくりの最終日ソワレ/吉祥寺シアター
4・26〜4・27
振付/菅尾なぎさ
出演/東さくら、阿竹花子、金子あい、佐藤想子、菅尾なぎさ、丹野晶子(ロリータ男爵)、松浦羽伽子、松崎有莉