(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

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サスペンデッズ第12回公演「GO HOME」

早船聡の戯曲は、人間関係の機微を濃やかに描くところにウェルメイドで確かな力を感じるけれど、そこに演劇的なセンスオブワンダーが加わったときに、とてつもない作品が生まれるのではないかという気がしている。例えば、星のホールにかけた『夜と森のミュンヒハウゼン』(2009年9月)のように。
なんて、観る側の妄想を押しつけられても困るってところかもだが、今回の「GO HOME」は、その域に近い仕上がりのように感じた。帰郷を主題に、さまざまなエピソードが過去の亡霊たちを甦らせるように、絡み合いながらエピソードが連ねられていく。ファンタジーへの越境もちらかせる一方で、現実の重みを観客につきつける厳しさもある。実に奥行きのある物語のつくりになっている。
開演二日目ということもあってか、空席も目立った。三日目以降の大入りを願うばかりだ。(マチネ、120分)

■データ
6・15〜6・24@吉祥寺シアター
作・演出/早船聡
出演/佐藤銀平、伊藤総、佐野陽一、鈴木理保、橘麦、間瀬英正、千葉沙織、新田めぐみ、白州本樹

中野成樹+フランケンズ「ナカフラ演劇展」Aプログラム

あまたある翻訳劇の紹介と、誤意訳を掲げてのその解釈の可能性を広げてくれるという点で、ナカフラへの期待は尽きないが、見逃している作品も実は多い。というわけで、少しでも多くの演目を観たいと思っているファンにとって、ショーケース形式でのエントリーするアゴラ公演は実にありがたい。
Aプログラムの『スピードの中身』(2010年初演)は、ベルトルト・ブレヒト原作の『了解についてのバーデンでの教育劇』を大胆に(?)翻案したもののようだ。めまぐるしく展開していく模擬面接地獄が、軽快かつ軽妙なフットワークと素早い切り返しで語られていく。ああいえばこういう的なやりとりの嵐だが、そのひとつひとつに機知と閃きがこめられている印象は原典の持ち味か。温故知新にも感じられた。面白いなぁ、ブレヒト
ちょっと観ぬ間に、役者の層が厚くなった印象。ふたりの女性によるオープニングアクトの不思議なダンス・パフォーマンスも眼福であった。(マチネ、60分)

■データ
6・7〜6・20@こまばアゴラ劇場
誤意訳・演出:/中野成樹
出演/村上聡一、野島真理、福田毅、石橋志保、竹田英司、斎藤淳子、田中佑弥、小泉真希、洪雄大、北川麗

ppoi-っぽい-第1回本公演「星がるキミは雲の下」

コミックのタイトルではありません。そんな名前の新しい劇団による旗揚げ公演。ホテルの一室に出入りする人々をめぐって、思わせぶりな人間関係、思わせぶりなエピソードが繰り広げられていくが、結局、それらの断片は何も絵柄を浮かび上がらせないまま終わってしまう。
舞台上にも登場し、生演奏で歌を聴かせる平和 Heiwaのふたりには、しみじみとした味があるだけに、空虚感はより目立ってしまう。役者も悪くなかった。今あるのは雰囲気だけ。とりあえず物語を熟成させてほしい。捲土重来を待つ。(ソワレ、75分)

■データ
6・13〜6・17@王子小劇場
作•演出/つかにしゆうた
出演/末柄拓郎、吉川綾美、橋本考世、長田涼子、鎌田みさき、渡部良太、山増圭(エビビモ Pro.)、若松この美、江田恵、加古みなみ、斉藤剛、平和 Heiwa (Gt. 鈴木ゆうすけ Vo. 清水庸一)