(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

青年団リンク 青☆組 VOL.15「パール食堂のマリア」

青☆組は、2002年から公演を行っている、桐朋学園大学演劇科の卒業生を母体に結成されたユニットだ。中心は、劇作家・演出家・俳優の吉田小夏。2006年以来の青年団リンクから独立して初めての公演となる。
昭和の横浜を舞台に、小さな食堂を営む父と娘の三人家族とその近隣の人々の人間模様を描く。戦争の爪あとを物語る史実を織り交ぜ、食堂一家の絆や、姉妹の葛藤が濃やかなところに好感が持てる。
ただし、登場人物が多く、群像劇になりそうなのだが、そうなっていかないもどかしさ(物足りなさ)がある。(ま、観る側の勝手な思い込みをあると思うが)泣きのドラマも、ややベタ過ぎるのが難。レトロな雰囲気を出しているが、やや古めかしくも映った。
全体の空気が散漫なのは、星のホールの魔のせいか。異様に広い舞台空間を、装置を工夫するなど上手に使おうという意図はうかがえるが、ややもすると散漫で空疎な感じが先にたってしまっていた。(120分)
■データ
三鷹芸術文化センター星のホール
7・29〜8・7
作・演出/吉田小夏
出演/荒井志郎、福寿奈央、林竜三、藤川修二(以上青☆組)、足立 誠(青年団)、木下祐子、郄橋智子(青年団)、天明留理子(青年団)、石松太一(青年団)、大西玲子、小瀧万梨子(青年団)、櫻井竜、如月萌