(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

「めくるめくセックス」シンクロ少女#7

小さな小屋での公演ちらしを見かけて、以前より気になってました、シンクロ少女。キワモノかも(失礼)という一抹の不安も、王子小劇場進出という折り紙が吹き飛ばしてくれて、さて観劇。
原因も判らぬまま妻のミツコ(名嘉友美)が眠りについて2年。夫のエイスケ(泉政弘)は、妻への思慕を断ち切れない一方で、弟の恋人マミ(三浦美香)ともこっそり関係を結んでいる。良心の呵責から、エイスケはマミに別れを切り出すが、最後のHのさ中、突然目を覚ましたミツコは、隣室の気配を察してしまう。
いまどきの若者たちのグズグズの人間模様を描いている点で、ポツドール国分寺大人倶楽部を思わせる。しかし、作者の名嘉友美には、しっかりと語るべき物語があるようで、それがエピゴーネンに終っていないところに感心させられた。
クライマックスのプロレス対決も意表をついて見応え十分で、不時着って気もするが、物語の着地としては合格点の範囲だろう。夫婦の嫉妬の図式は、最初工夫がないと思ったが、あそこまで徹底してやれば落としどころに説得力が生まれる。夫婦をとりまく登場人物たちの人間関係もしっかり計算されている上手さがあった。(90分)

■データ
ついでに来年度支援会員の会費を劇場に払ったソワレ/王子小劇場
1・28〜2・1
作・演出/名嘉友美
出演/泉政宏(今夜はパーティー)、三浦美花、田中のり子(reset-N)、名嘉友美、宮川珈琲、水谷浩之(chester copperpot company)、武子太郎