(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

「輪廻TM」ハイバイ オムニ出す(星/SF)

せめて片方と思って(常/仏)を観たら、やっぱりもう一方も観たくなってしまって結局(星/落)へ。星の「輪廻TM(タイムマシーン)」は前川知大作で、イキウメもオムニバスの「図書館的人生vol.1」の中で取り上げている一篇。
どうみても科学者というよりは浮浪者に見える二人組(師岡広明、岩井秀人)に、タイムマシンに乗らないかと誘いを受けた男(金子岳憲)。車椅子型のそのマシンは、単に時間を行き来するのではなく、座った人間の前世や来世を見せてくるれという。眉に唾をつけながらも、タイムマシンで男たちは現在と過去を行き来する。最後に、二人組の一方は、弥勒菩薩が地上に姿を現すといわれる56億7千万年先の未来をのぞくが。
イキウメ版を上回る二人組の胡散臭さが愉快。まさに、タイムマシンの移動先の光景が、それを目にしている役者の表情を通じて表現されるというところがミソというあたりの本作のキモも、イキウメ版より強調されていたように思う。イキウメがどうだったか記憶が曖昧で、きっちりと比較できないのが残念だが、ハイバイ版はかなり笑いの要素が強く、それ(落差)ゆえエンディングのインパクトが強かったように感じた。(35分)
■データ
観客の役者率がやけに高かったソワレ/原宿リトルモア地下
10・19〜11・5
作/前川知大(イキウメ) 演出/岩井秀人
出演/師岡広明、金子岳憲、岩井秀人