(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

「コンビニュ」ハイバイ オムニ出す(仏/フランス)

「ヒッキー・カンクーントルネード」との抱き合わせは、これ。親族代表のために岩井秀人が書き下ろした作品で、今年2月にシアタートップスですでに上演されている。(「LIVE発電所」の3作目「コンビニ(または謝罪について)」)ちなみに、最初の予告では、「テンプルトンペックン」というタイトルだった。
大雨が降りしきる深夜、ひとりの男がコンビニに入ってくる。彼は、さきほどこの店でタバコを買ったが、自分の部屋で見るとタバコの銘柄が違っていて、仕方なく雨の中を再びコンビニに戻ってきた。しかし、間違った当のコンビニ店員からはお詫びの言葉もなく、無言でタバコを交換するのみ。なぜ謝らない、と店員に言い寄るが、相手は謝れないの一点張り。男は謝罪しない店員に苛立ちを募らせていくが。
ピチチ5の三浦竜一がコンビニの店員を演じて、クオリティ高かった「LIVE発電所」の中でも屈指の出来映えだった作品。作者岩井秀人の顔が見える作品で、ぜひハイバイのキャスティングで観てみたいと思ってました。
しかし、起爆剤として投入された快快からの篠田千明が破壊力を発揮し過ぎている感があって、わたし的にはいまひとつ。作中、役者たちがただふざけているだけのように見える瞬間が何度かあって、ちょっと興ざめでした。解体の試み自体、悪いものではないと思うが、その前段階として岩井本人や金子らがストレートに演じる「コンビニュ」を一度観てみたかった。(40分)
■データ
開演前にふらりと劇場から出てきた篠田を少年と見間違えたソワレ/原宿リトルモア地下
10・19〜11・5
作・演出/岩井秀人
出演/師岡広明、永井若葉、坂口辰平、篠田千明(快快)