(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

「スウィッチングダンパー」げんこつ団

毒とエスプリをたっぷりと盛り込んだコントツリーで、洒脱な、しかしがっつりと120分のショーを作り上げるげんこつ団。もはや、評するに和製モンティパイソンという言葉も不要な彼女らの新作。
1Fにコンビニが入った小さな雑居ビル。住居とオフィスが同居するビルでは、そこに住まう家族も会社も、実にさまざま。やがて、コンビニが出て行き、そこにアメリカの航空宇宙局が引っ越してきた。さらに、ビルは勝手に天に向かって成長を始めて。
笑いのツボは実に人それぞれで、ひとつひとつのコントは、わたくし的には腹をかかえるものもあれば、笑えないものもある。しかし、同じビルの中で起こっている出来事という縛りが、コントのねじれた連鎖を生み出していく仕掛けで、コント集を越えた見ごたえがある。
わたしは、久々にお邪魔したのだが、ふんだんに盛り込まれた相変わらず映像と音楽が素晴らしい。性別に拘るわけではないが、女性だけであることに驚かされる大胆さもあれば、さりげなくお洒落な感覚になるほどと頷いたりしながら、瞬く間に2時間が過ぎました。(115分)

■データ
例によってギンギンの冷房だったソワレ/下北沢駅前劇場
5・22〜5・25
作・演出/吉田衣里 演出・振付/植木早苗
出演/植木早苗、春原久子、大庭智子、大場靖子、河野美菜、望月文、加島愛(ハラホロシャングリラ)、松本雅子、神奈美衣、津波恵、吉田衣里