(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

さよなら、日だまり/平田俊子(短評)

芝居のことを書き留めるので精一杯なため、それ以外の記録がおろそかになってしまって、いかん、いかん。本作は、過去に錚々たる受賞者が並ぶ野間文芸新人賞を2005年に受賞した女性作家の新作である。(受賞作は、「ふたり乗り」)
女ともだちの紹介で、よくあたるという占い師に見て貰った主人公が、あれよあれよという間に、人生の窮地へまっさかさまに落ちて行くお話。一種の詐欺小説としての面白さがあって、篭絡されていく夫や、宗教がらみで超自然かと思わせる出来事に襲われる展開が、なかなか恐ろしい。
ただし、最後の主人公の再生は、ちょっと月並み。も少し、何らかのカタルシスのある終わり方が読みたかった。

さよなら、日だまり

さよなら、日だまり