(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

「4人の美容師見習い」ベターポーヅ最終公演

わたしの中でベターポーヅの名は、あちこちの劇団に出演している女優陣の所属劇団として記憶されてきた。加藤直美、松浦和香子、吉原朱美らの達者な芝居ぶりを観るにつけ、本公演を観てみたいと思っていたところだが、ようやく実現したのが14年間の活動に幕を降ろす最終公演とは…。
プロローグは四つのお地蔵さんをめぐる時代劇だが、そこからなんの脈絡もなく現代へ。4人の美容師を志す女性が働く美容室。3人はすでに資格試験にパスしているが、最後のひとりが年齢制限の四十歳を目前にしながら、まだ試験に落ち続けている。今回も残念な結果に終わってしまい。
登場人物たちのピント外れで、とんちんかんなやりとり。こちらと思えば、またまたあちらな展開。唐突な歌が入ったかと思えば、踊り(ダンスではない)まで飛び出す、紆余曲折な物語の転がり方なのに、目には見えないけど緩やかな傾斜が付けられていて、きちんと収まるべきところに収まる脚本に感心させられた。
加藤直美が欠場で、美容師見習いが四人しかいないのは残念だけれども、女優陣には揃ってファニィな可愛さがあって、終始観客の目を飽かさない。これでおしまいとは、なんとも残念。(80分)※12日まで。

■データ
声つぶし気味の吉原朱美の喉が心配になった初日ソワレ/下北沢OFFOFFシアター
8・7〜8・12
作・演出/西島明
出演/渡辺道子、阿部光代、猿飛佐助、松浦和香子、山崎和如、吉原朱美、西島明
振付アドバイザー/山田うん 美術監督/東大路道恵 美術助手/藤原孝子 舞台監督/小野八着 照明/colore 制作運営/三村里奈(MRco.)