(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

ヤプーズ@恵比寿リキッドルーム

ヤプーズを聴くのは、まったく初めての経験である。戸川純というキャラクターは、古い話だがゲルニカでお馴染みだったし、上野耕路とともにステージに立ったライブを観た記憶もある。ハルメンズのアルバムで、ゲストとして歌っていたことも知っている。でも、それはすべて彼女のソロデビュー以前のことで、ヤプーズ以降の活動についてはまったく知らない。
そんなヤプーズを聴きたくなったきっかけは、今年の夏に出た戸川純バンドの1stアルバムが素晴らしい出来だったからで、アバンギャルドとポップが絶妙に混ざり合ったプログレに、仰天したからである。なんとしてもライブを観てみたいという衝動が沸き上がってきて、スケジュールをチェックしてみたところ、この日のヤプーズの公演予定が目にとまったのだ。
なるほど、ヤプーズの音楽って、テクノとニューウェーブの中間だったのですね。オープニングの〝昆虫軍〟から、打ち込みの強烈なリズムに圧倒される。序盤のハイライト(?)ともいうべき〝隣のインド人〟のためか、戸川純ベリーダンスの衣装をまとっているが、歌のエキセントリックさとやけにマッチしている。でも、本人は、『これじゃ、下着姿だ』と言って、お召し替えをすることに。打合せが不足していたみたいで、衣装替えの間、急遽、トレイ・ガンのソロ・コーナーが挟まる。(ちなみに彼のギターソロとボーカルはカッコイイ)
第二の衣装は、ゴスロリ調だが、それがまた違和感ないのが、いかにも戸川純だ。ダークな曲からジャパネスクまで、さまざまな曲調を次々に披露した後、後半戦へ。後半はほとんどMCなしで、次から次へとお馴染みの(?。であろう)曲を連発。どんどんのぼりつめていく感じで、戸川純のテンションがあがっていくと同時に、会場の熱気も最高潮に。アンコールも合わせると、摩訶不思議で強烈な戸川ワールドに翻弄された2時間でありました。次は、ホッピー神山、デニス・ガン、ナスノミツル吉田達也、ホワチョの参加する戸川純バンドを是非観てみたいものだけれど、ヤプーズも悪くないな、と思ってます。

以下、初心者(自分)の復習・反芻用セットリスト。昆虫軍、コンドルが飛んでくる、隣の印度人、新曲1、女性的な、あまりに女性的な、新曲2、(デニス・ガンのソロ2曲)、シアー・ラバーズ、怒濤の恋愛、ヒステリア、君の代、ロリータ108号、シャルロット・セクサロイドの憂鬱、12才の旗、赤い戦車、ヴィールス、レーダーマン、フリートーキング、電車でGO、踊れない、パンク蛹化の女、(アンコール)バーバラ・セクサロイド、肉屋のように。以上。トータルでほぼ2時間。

ところで、この日のリキッドルームの客扱いは、最悪だった。客入れに1時間遅れ、開演までにはさらに45分、都合1時間45分も遅れが出た。いつもこんな感じなのかどうかは判らないが、開演の遅れについてきちんとしたアナウンスがまったくなされなかった。会場や主催者側に、もうちょっときちんとしたライブ運営を望みたい。

(追記)
ヤプーズの掲示板(ヤプーズマニア)に行ってみたところ、ファンの中でも、1時間45分という当日の待ち時間がしんどかった、と嘆いている声があって、議論が飛び交ってました。