(その後の) a piece of cake !

今宵、すべての劇場で。

GO!GO!7188@日本武道館

GO!GO!7188というバンドを知ったのは、意外と古い。情報通の友人から、〝ジェットにんじん〟を知っているか?と訊かれた時のことだから、2000年の秋くらいだったのだと思う。さっそく聴いてみたところ、曲のタイトルとも相まって、どうも色モノという感じが拭えなかった。
というわけで出会いにつまづき、さらに4年近くが経過する。今年の夏、ネオGS繋がりで、GO!GO!に言及する人がいて、どうも気になり、アルバム〝鬣〟を聴いてみた。すると、たちまちのうちにシングル曲の〝浮舟〟に耳を奪われた。いやー、ジャパネスクというか、プログレというか、力強い旋律と分厚い演奏でぐいぐいと迫ってくるこの曲は、昼に夜に頭の中をかけめぐりました。それをきかっけに過去のアルバムをさらい、そして今年の10月にリリースされた4thアルバムの〝竜舌蘭〟で完全にハマってしまったというわけである。
武道館の2階席から会場の眺め渡すと、観客層は圧倒的に10〜20代で、ほんの少しづつだが、空き席もある。しかし、客電が落ち、3人が登場すると、いやー、たちまちのうちに会場は興奮の坩堝。この日の1曲目は、〝赤い月に吠える夜〟で、MCもほとんどなしで、次から次に曲を繰り出してくる。たまに喋るのはベースの浜田亜紀子(アッコ)で、ボーカルとギターの中島優美(ユウ)はほとんどMCなし。ひたすら、ギターを弾きまくり、歌を歌い続ける。
〝竜舌蘭〟からの曲が並ぶ前半からテンションは高いが、後半、〝浮舟〟〝C7〟〝文具〟といった御馴染みの曲が続く展開は圧巻で、このバンドの勢いというのをいやというほど見せつける。一見華奢なユウは、そんなに歌って喉は大丈夫?と心配になるが、最後の最後まで堂々たる歌いっぷりでした。
このバンドの魅力は、なんといっても曲の良さで、さりげなく歌謡曲にルーツを求める曲作りが、非常に親しみやすさを生んでると思う。最初、椎名林檎エピゴーネンかと思われたユウの歌も、これはこれで華があるものであり、素晴らしく思えるようになってきた。とにかくエネルギッシュで、ロック本来の魅力も、味あわせてもらった。いいライブに足を運んだと思う。

以下、自分のための復習反芻用セットリスト。赤い月に吠える夜、うましかもの、バイオレッドの空、千日紅、大人のくすり、恋の毒薬、行方不明、ななし、サンダーガール、青い亀裂、C7、東京、二つの足音、うみのうま、考え事、初秋、こいのうた、ロック、タクシー、浮舟、大人のひみつ、くのいち、文具、(アンコール)トカゲ3号