ツイステッド(2004)
もうとっくにロードショーは終わっているが、『ツイステッド』について書いておこうと思う。
そのタイトルからして仕掛けがありそうだと思ったけど、ミステリ映画としての出来は悪くない。アシュレイ・ジャド演じる主人公のジェシカは、サンフランシスコ市警の殺人課に配属されたばかりの捜査官。有能さを買われての抜擢だったが、彼女が女性であることを理由にやっかむ同僚もいる。しかし、捜査官としての腕は優秀で、着任早々にサイコキラーを罠にかけ逮捕するという手柄をあげる。
そんな彼女には、男漁りというちょっとした性癖があった。ところが、それがきかっけとなって、捜査中の殺人事件の容疑をかけられ、窮地にたたされる。
この手の映画の常として、観客は主人公を容疑者から排除するが、それでもシナリオは執拗に主人公に容疑を向ける。さらには、転々とするミスリードもあって、試行錯誤の楽しみには仲々のものがある。
ジェシカ捜査官役のシュレイ・ジャッドがきれいで、ヘップバーンを彷彿させたりもするといったら褒めすぎだろうか。『ナチュラル・ボーン・キラー』や『ボディリップス』という変な映画で彼女を観ているはずだが、これだけ強烈な印象を受けたのは初めてのことだ。
監督のフィリップ・カウフマンは、文芸ものからSFまで、芸域の広いひとで、個人的にはジュリエット・ビノシュを使った『存在の耐えられない軽さ』が印象に残っている。やや結末付近で緊張感が途切れるのが惜しまれるが、本作もまたミステリ映画の佳作として記憶される価値がある。
脚本はサラ・ホープ、共演はアンディ・ガルシアとサミュエル・L・ジャクソン。[★★★]
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